CとBの差
「いつまでオメェらはC級でいるつもりだ?さっさとB級に上がっちまえよ」
ギルドマスターが俺たちにそう言って睨み付けてくる( ギルドマスターの顔が怖いから睨み付けているように見えるだけだが)
「B級ってのは俺たちには荷が重すぎるよ、C級くらいで調度いいんだ」
苦笑いしながら俺が言うとマーティンもわかっているみたいで同じ様に苦笑いしながら
「英雄願望も今は昔ってやつさ、若いやつらに任せるよ」と肩を竦める。
「かぁーっ!お前らがC級にずっと居残るのはギルドの損失だと思ってるんだがな」
額を叩きながら頭をふるギルドマスター
「なる気がないなら仕方ないが、また明日狩猟の方を頼むぜマーティンとジーンズよ」
そう言い残し解体カウンターの奥へ引っ込んでいく。
「そうですよ!マーティンさんもジーンズさんもB級くらい軽いもんだと思いますけどね」
エリーは微笑みながら言った。
「そう言ってもらえるのはありがたいんだがな、俺らはほんのちょっとだけ力が足りない事を自覚しちまったんだよ」
マーティンが俺の目を一瞬見てエリーにそう告げる。
「分厚い紙一重ってやつだよ」
俺もマーティンを見てそう答える。
「とりあえず今日の仕事が終わったんだから、飲みにでも行くか?」
マーティンが話を逸らしジョッキをあおるポーズをとる。
「そうだな、儲けたことだし酒場に行くか」
冒険者ギルドを出て、いつものいきつけの酒場に向かう事にした。