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武器と帰路

王都での三日目の朝。俺たちは宿で静かに待機した。ニールは地図を広げ、採掘孔から女王の巣までのルートを繰り返し確認している。

王都での三日間は、あっという間に過ぎた。武器の強化、王都の傲慢さとの対峙、そして静かな準備。すべてが女王との最終決戦へと繋がっている。

そして夕刻――俺たちは、バルガスの店へと向かった。

店は、三日前よりもさらに激しい熱気と、金属音に包まれていた。俺たちが店に入ると、バルガスは炉の前で仁王立ちしていた。彼の体は、三日間の不眠不休の作業で、全身から湯気を上げているようだった。

「来たか」

バルガスは低い唸り声で言った。その目の周りには深い隈ができていたが、その瞳は狂気的な達成感に満ちていた。

彼は、炉の横に立てかけてあった二つの獲物を指差した。

俺はまず、自分の長槍を手に取った。柄の木材は元のままだが、穂先は光を吸い込むような漆黒の合金で一新されている。その重さは以前と変わらないにもかかわらず、手の中で揺らすと、鋼の芯が一本通ったような確かな堅さと、獲物を捉えるために必要なわずかなしなやかさを同時に感じた。これならば、女王の甲殻を貫いた時、力が逃げることはない。

次に、マーティンの戦斧を受け取った。刃の部分は黒く鈍い光を放つ特殊合金に打ち替えられている。俺が利き手でそれを握ると、マーティンが巨大な獲物を相手に、渾身の力で一閃する姿が、いとも簡単に頭の中に想像できた。重量と重心が、ただの破壊力だけでなく、振り抜きの速度を最大限に高めるよう、緻密に調整されているのが分かった。

「約束通りだ。これ以上のものは作れんはずだ」バルガスは簡潔に言った。

「お前たちの命を預かるものだ。使いこなせなければ、ただの鉄屑だぞ」

ニールは、バルガスに最後の支払いを済ませる。

「ありがとうございました。必ず、獲物を仕留めます」

店を出ると、ニールが焦燥感を露わにした。

「よし。武器は手に入った。さあ、さっさと帰るぞ!」

俺たちは、王都の城門を背に、宿場町への最短ルートへ向かい、ギルドから借りていた早馬に飛び乗った。

「一日半で走るぞ、ジーンズ!」

ニールは手綱を握り締め、馬を鞭打った。マーティンが待つ、運命の街へ。俺たちは、最高の武器と共に、限界への挑戦となる超速の帰路についた。

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