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矛情報

王都での二日目。俺たちは再び王都の裏通りへ繰り出した。今度は情報収集だ。

ニールは、王都に来た際から付き合いのある情報屋と落ち合った。彼はギルドの事務方として、表の顔だけでなく、裏の顔にも精通していたのだ。俺は少し離れた場所で、カフェの隅から見守った。

ニールが戻ってくると、その顔はいくらか引き締まっていた。

「討伐隊は『大穴』の表のルートを重点的に攻めるようだ。だが、裏の情報では、隊長たちの間では『討伐後に女王の素材を誰が回収するか』で、すでに揉め始めているらしい。連中は、勝利に焦っている上に、手柄と利権に目が眩んでいる」

俺は静かに頷いた。王都の騎士団や貴族の金銭欲と傲慢さは、昨日事務官に会ったことで痛いほど感じていた。

「つまり、俺たちが裏ルートから行くのが最適解だという状況は変わらない。むしろ、王都の連中が正面を叩いてくれるほど、俺たちの成功確率は上がる」

俺は、午後の時間を一人で肉体の調整に費やした。武器がない。手に馴染んだ戦斧も長槍もない状態は、まるで鎧を剥がされたような心許なさだ。だが、この空白の時間を利用して、全身の動き、特に呼吸と体幹に集中し、戦闘への準備を整えた。最高の武器を手に入れたところで、それを振るう俺たちの体が限界では意味がない。

夕食後、俺とニールは宿の小さな部屋で、地図を広げた。

「ジーンズ。明日、最高の武器を手に入れる。そして一刻も早く街に戻る」

ニールはそう言うと、俺をまっすぐ見た。

「マーティンの怪我は、俺たちが戻る頃には治っているはずだ。そして俺達は戻れば『決戦戦力』として、大穴に向かう。俺は、補給と情報の確保、そして撤退ルートを担う。お前とマーティンは、女王に一撃を入れる唯一の矛だ」

俺は、言葉の代わりに、テーブルの上の地図の採掘孔に指を置いた。

「わかってる。俺たちが、女王の首を取る。それが、この街を救う唯一の方法だ」

ニールは微笑んだ。その顔には、不安ではなく、協力者としての深い信頼が浮かんでいた。俺たちは静かに酒を飲み干した。明日は、いよいよ決戦の道具を受け取る日だ。

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