ギルドにて
「ああ!マーティンさん!ジーンズさん!お帰りなさーい!」
ギルドの扉を開けるとカウンターから手を振り、ギルドの紅一点である受付嬢のエリーが呼び込んでくれる。
「おう!ただいま!」
マーティンは大声で返事をし、俺は軽く手をあげて返事をする。
「解体頼むぜ!」
そう言いながらマーティンは解体専門カウンターへ獲物を持っていく。
「ジーンズさん、今日の収穫は何匹ですか?」
エリーが笑顔で俺に尋ねてくる。
「『甲羅兎』の群れを上手く見付けられてな、17だったと思うぞ」
「凄い量じゃないですか!?」
『甲羅兎』は背中が固い甲羅で覆われた兎で、比較的におとなしい魔物だ。
ちなみにモモ肉は旨味が凄い。
ギルドに持ち込んでいるのは解体してもらい、肉屋に卸すためだ。
エリーと他愛ない世間話をしているとホクホク顔でマーティンが話に割って入ってくる。
「ジーンズ!換金してきたぜ!」
「いくらになった?」
「やっぱりジーンズの腕がいいから、色もついて銀貨で20枚になったぜ」
大体『甲羅兎』は銀貨1枚が引き取りの価格だが、かなり色をつけてもらえたみたいだ。
喜んでいたら、解体カウンターの方から声がした。
「血抜きも完璧だし、傷口も小せぇし毛皮としても、甲羅の傷も少ねぇし素材の価値的にも十分だ」
流石ベテランだな、と強面でさらに普通の冒険者よりもガタイのいいギルドマスターのガイエルが歩いてくる。