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性愛と純愛
性の上にのみ成り立つ愛と
純粋な感情の上に成り立つ愛
そう比較したら
彼は怒るだろうか
最初から
そこには「性」がさも必然だったから
どう考えてもおかしいと思ったが
私には他に為す術がなかった
心だけで支え合えるような関係が
本当は理想だったけれど
心だけで支え合えるほど
皆は暇ではなかった
本来の私よりもずっと
背伸びをして「性」に対応しているから
日に日に心が削れて仕方なかった
「性」の上に成り立つ「青春」が
大人の私たちにとっては
きらきらと輝かしい
まるで、あの削れた心が
小さなダイアモンド状のちりとなって
その場面を輝かせているようだ
「性愛」と「純愛」に
想いを馳せたくて仕方がない
「どこで間違えたんだろう」という
陳腐な言葉が通用しない
自分の機嫌は
自分で取らなければならない
熟成させた思考が詩になった
今日もまた私は
自ら彼に
騙され続ける




