54/132
被害妄想と隙間に咲く花
少し被害妄想なところがあると
自分の良くない部分について
気持ちが落ち着いている時に
飄々とした面持ちで思うことがある
だからあなたがこれまでの人生で
湧き上がる向上心を胸に
人の心をあやつるかのような術を
学んできたんだということを
改めて認識してしまった時
もしかして
私にもその術が使われたのではないかと
無駄に疑心暗鬼になったりするのだった
そんな私を
あなたは心外そうに嗜めて
これは花のような恋だと言った
何でもない日常に
バランスを取りながら
一日一日をこなしている日常の隙間に咲く花に
私は指先でデコピンをするかのような衝撃を与える
あやつられたのではない
私たちは
共犯者だ




