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暗闇の街中で七色に光る
あの日
理想通りスムーズに進まなかった無念さに
張り詰め続けていた心が、
身を預けずにはいられない
あなたの厚い肩と腕の抱擁によって
こんなにもほどけるなんて思ってもみなくて
あなたが何か自分の考えを語る時の
その遠くを見遣る尊い横顔に
芽生える憧憬の感情
それが私の脳裏に居場所を作り
ピアノ演奏曲をBGMにして
薄暗いカフェで頬杖をつく私の心の中
不意に恋心と共に再現されたりするんだ
あなたへの真っ直ぐな想いを強めるほど
突如目の当たりにする受け入れ難い方向性に
とまどいを隠せないことが現状で
何の長期的な解決もしていないけれど
私たちはまだ
暗闇の街中で七色に光る観覧車に
一緒に乗っていないんだ




