4/132
チョコエッグ
いつも
心をコーティングしていた
まるで
チョコエッグのようなもので
でも
パリパリに割らないと
あんな声は出せないの
だから
遊泳を終えた後は
コーティングがはがれた心で
余韻に放心する
そして
現実世界が
次の動作を急かすかのように
私はその場から一歩を踏み出す
はがれた心はやけに無防備で
普段ならどうってことないパンチでも
もろにくらってしまうから不思議
高揚してしまった分だけ
好き過ぎて辛いから
クールダウンしようと必死だ
そんな私を
通常モードまで引き上げてくれるのは
結局あなたの何気ない一言
新たに形成中のチョコエッグに
あやまって触ってしまった
指先の甘さを感じながら
また固まるまでは待ち続けるね
あなたに割られたチョコエッグは
綺麗で艶やかなものに
生まれ変わるから




