2/131
君に溺れるプール
「私もずっと心が寂しかったんだ」
と痛いほど気づかされたのは
あの子の「一人暮らしなんでね」
という儚い呟き
長い間従順的に続けてきた
当時好きで好きでしょうがなかった人に
誘導される遊びは
いつも結局私がひとりぼっちで
だけどあなたは
その瞬間一緒にいてくれた
遊ばれてもいい
騙されてもいい
と自身に言い聞かせたいくらい心地良い
慣れてそうだなぁ
周りの女性みんな夢中じゃん
と日々目にするあなたの周辺
でもあなただけは
一日のうち長い間隔も空けずに
私が紡ぐ言葉に耳を傾けてくれて
私が長年心血を注いできた作品を
自ら手に取りページをめくってくれて
可愛くも色っぽくもない私の声を
電話越しに聴くために
けっこうな時間を割いてくれた
寂しかった私の心に
あなたの優しさと色気が侵食して
分かっているのに導かれて
私たちは仮想空間でひとつになった