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心に良い恋、悪い恋
この世に
心に良い恋と
心に悪い恋があるならば
ひとつの恋の中にそれぞれの要素が
何割ずつ占めているかによって
どちらかと言えばこっちだ!と
判断するのだろうか
そうだ
ひとつの恋の中でも
一時の状況が
影響することもあるのかもしれない
相手が自らに課したタスクを
こなすことで精一杯な時
相手が私を夜という静けさに残して
音信不通になった時
相手に今日はもうこれ以上自分の好きを
伝えない方がいいんじゃないかなって悟った時
心にとって苦しい要素が微塵もない恋なんて
この世にあるはずがないよ
だから私は目をつぶり
一輪の花でまるで唇をふさぐようにして
君に対してどうしようもなく高ぶってしまう好きを
声に出さずに溜め込ませてゆくの




