鼻から胃カメラ飲んできたぞー!
緊急事態宣言も解除されたってことで。
アルコールの提供も解禁されたってことで。
久方ぶりに飲みにでも行くかってんで。
ちゅーわけで、ぽっくん。
鼻から胃カメラ飲んできたぞー!
あら嫌だ。飲みは飲みでも医療系。
先日の会社の健康時診断のバリウム検査で、胃に潰瘍の跡っぽいの有る感じ? 再検査行っとく的な感じ? という診察結果が出てしまい。小生、この度、再検査。
では、誰に頼まれた訳でもござあせんが、この場を借りて、たぁーっと『鼻から胃カメラレポ』っす。
① 先ず、前日の午後9時以降は飲食一切禁止です。
② 当日はタオルを一枚持参します。
③ さて当日、先ず胃の中の泡を消す薬を飲まされます。おちょこ一杯ほどの量を、グビッとね。
④ 次に、ベットに仰向けに寝かされ、左右の鼻に局所麻酔を噴霧されます。めちゃにがっ!
⑤ 麻酔が効くまで、数分放置されます。退屈なので診察室の天井材のジプトーンの穴と穴を視線で結んで、オリオン座、北斗七星など、星座を思い描いたりして過ごします。
⑥ 麻酔が効き始めたら、後に胃カメラが通りやすくする処置として、さや管のようなものを鼻に通されす。この際、看護師さんに「ものが通りやすい鼻の穴は左右どちら?」と、当たり前のように聞かれます。
いや~、生まれてこの方、どっちの穴が異物が通りやすいかなんて、意識したこと、これ一度もねえですよ。オラ皆目見当つかねえですよ。てへへ。と答えると、「あらそう、では右に」と言うや否や、ズボッっとさや管を挿入されます。
⑦ さらに放置プレイが続きます。退屈なので、蚊に刺されて痒いところを、爪の先でみじん切りにしたりして過ごします。
⑧ 麻酔が完全に効いたら、いよいよ別室へ移動します。機材だらけの部屋に移され、診察台に横向きに寝かされます。この時、持参したタオルを枕に敷きます。「唾液は飲み込まずにタオルに垂れ流してね。検査中はモニター見ながら先生と会話も出来ますよ」と看護師さんから説明を受けます。
てか、よだれダラダラ垂れ流さにゃならん状況で、しゃーしゃーと会話が出来るんかいな? と素朴な疑問がよぎります。
⑨ いよいよ先生が登場。目を閉じてチョー緊張している小生とは対照的に「はーい、んじゃ、はじめちゃいまあ~す」なんつって、先生は極めて日常茶飯事チック。速攻で鞘管ズボッと抜いて、間を入れず胃カメラズボッっと挿入。
⑩ んがっ! おえっ! おえっーー! かっかっかっ! かっかっかっ!
⑪ たぶん僕が不慣れなだけなのでしょうけど、モニター? 会話? 無理無理無理無理! 麻酔効いてっから痛くはねーんすけど、何だかメチャクチャ苦しかったっすね。何故か検査の最中ずっと、この半生これまで自分が犯してきた様々な悪行が走馬灯のように思い出されて、もーしません! もーしません! もーしません! もーしません! ほんと、んもぉーしませんからあああーー! この状況がどの悪行に対する天罰か分んねーから、ただもう片っ端から天に許しを請うばかり。
も~ね、ついつい無意識に唾液飲み込んじゃうのよね。んで、ごっくんってすると、喉がかっかっかってなって、ちょー苦しいのよ、カメラ貫通中ですから。でさ、看護師さんに「唾液は飲み込まない! タオルに吐き出して!」つって注意されるから、目つぶったまま、ぺっ! ぺっ !ぺっ! つって全力で唾液吐いてたらさ、「こらー! 先生に唾かけるなー!」やっべ、正面の先生に全部かかってたみたい、どーもしゃぁーせぇーん。
⑫ 人間、こういった恐怖と不安のさなかにいますと、なんだか最悪の事態しか想像できなくなるものです。
……今、地震が来たら嫌だなあ。先生、ぜってー僕の診察台の下に避難するもんなあ。真上で、鼻からカメラ突っ込まれたまま、僕、放置プレイだもんなあ。
……今、火事になったら嫌だなあ。先生、ぜってー僕のこと置いてきぼりにして逃げるもんなあ。僕、鼻から繋がったままの機材を引きずりながら避難せにゃならんもんなあ。
……そもそも、局所麻酔ってのが嫌だなあ。先生の「あ、やっべ」という声と同時に、三途の川がはっきと見えたりするもんなあ。係の人に、白い三角の布を手渡されて、「渡し舟に乗る前までに頭につけて下さいねー。あと、その鼻から伸びてるチューブは外して下さーい」とか言われるに決まってるもんなあ。
⑬ こういった検査とか手術とか受けるたびにいつも思うんだけれど、もう少しこっちの不安を和らげる程度の「遊び心」があってもいんじゃね?
口から止めどなく万国旗が出てくる手品みたいに、胃カメラを鼻から抜く時に、チューブが万国旗になって出てくるとか。
ステックからお花がポンッと飛び出す手品みたいに、大腸カメラお尻から抜くと、先っちょが花束になってポンッ! とか。
シルクハットから鳩が飛び立つ手品みたいに、盲腸の手術中、お腹から白い鳩が、ぱぁ~さぱさ、とか。
ははは、あほか。
⑭ さて、検査結果は?
全く異常無しでした。食道、胃、十二指腸、どれも健康そのもの。バリウム検査の時、胃のしわが影として映っただけだろうとのこと。実は僕、健康診断当時、仕事でこれまでになくストレスのかかる事柄があったので、それで胃潰瘍にでもなっていたのかな、と推測していたのですが、よかったあ、お体ご無事だったみたい。ははは、お強いのね。
先ず、健康。
天に、感謝。
もーしません! もーしません! もーしません! もーしません!