第20話:ヒアリング01
「まず、現在のお口の中について、リトールさんの感覚を教えてもらえませんか?」
「か、感覚……?」
「はい。初診の患者様に、最初は丁寧なヒアリングを行います。口腔環境でのお悩みについて、僕が見てももちろんだいたいのことはわかりますが、一番は患者様ご自身の感覚を教えていただくのが一番です」
------------------------------------------------------------
【Tips01】良い歯医者の見分け方。
コンビニよりもたくさんあるといわれる日本の歯医者さん。
たくさんあると、どういう歯医者が良いのは見分けにくいですよね?
そんなとき、まずは身近な歯科医院か下記のことを行っているか確認しましょう。
・患者様から丁寧にヒアリングを行う
・口腔環境を確認し、患者様から同意を得た上でレントゲンの撮影を行う。
歯科の保険治療は単価が安く、より多くの患者様を診なければ経営が傾きやすいのが現状です。
確かに多くの患者様を抱えることになると、1人1人に対するヒアリングが疎かになるかもしれません。
それでも患者様に対して丁寧なヒアリングを行うことで、より再発防止につながる治療計画を立てられます。
丁寧に話を聞く歯科医師かどうか、まずはよく確認してみましょう。
------------------------------------------------------------
(1.状況質問)
「ではまず、リトールさんが感じられている口の中の悩みについて教えてもらえませんか?」
「う、うむ……今の口の中の感覚が日常になりすぎて、正直適切に伝えられるか分からぬが……」
「そうでしょうね。大丈夫です、何でもいいですよ!」
「そうだな……この2ヶ月ほどなんだが……口の奥のほうが鈍い痛みが続くようになったのだ」
「鈍い痛み……位置はわかりますか?」
「右下と左上……後は前歯も少し……」
「どういうタイミングで痛みを感じますか?」
「何もしていないときも常時弱い痛みを感じるのだが……冷たい水を飲んだときや、冷たい風を受けたときは、やはり痛みが増してくるな」
「温かい飲み物はどうですか?」
「それはあまり気にしたことがないので、多分大丈夫だろう」
「夜寝ているときに急に痛みがあったりしますか?」
「あまり眠れなかった日は、数時間後に刺さるような痛みがあるな」
「わかりました」
(2.口臭確認)
「口臭について、さっき僕が気になるという話をしたのですが、ご自身では気にされたことはありますか?」
「気になっていない……といえば、嘘になる。実のところ、口の中から腐ったような汁が出てくることがあって、よく水で洗い流していたのだ」
「それが臭うという自覚があったわけですね」
「恥ずかしながら……そうだな」
(3.口腔の質問)
「口の中から血が出たりとかしますか?」
「す、するな……硬い食べ物を食べたときなど、特に出やすかったりする」
「やはり歯が痛い部分からですか?」
「ああ……膨れているようだからな。多分血が溜まっているのだろう。だから、最近はあまり固いものは食べぬようにしている」
(4.薬や体調について)
「リトールさんは、あちらの世界でお薬を飲まれたことはありますか?」
「基本はない。ただ熱が出たときなどは、薬草を煎じて飲んでいたな。ここ数年は熱は出たことがないが」
「つまり、今はお薬は飲まれないと」
「そうだな」
「麻酔……というのはご存知ですか?」
「……いや、知らぬ。どういうものだろうか」
「体の感覚を一時的に眠らせるお薬です。内臓の病気の治療などで使います」
「ないな……モンスターの毒で痺れたことはあるが、あれとは同じだろうか?」
「神経麻痺とは理屈が違いますからね。別物だと思いますが、気持ち悪くなったりしますか?」
「神経麻痺でいい気持ちになることは無いだろうが、特に後を引きずることはない」
(5.アレルギーについて)
「リトールさんは剣を使って戦っていますね」
「そうであるな」
「鉄などの刃物を持ってもかぶれたりしませんか?」
「それはないな。装備する防具も鉄で出来ているが、特に皮膚がやられたことはない」
「それは良かったです」
「……?」
「食べ物で体調を崩すことはありますか?」
「それもないな。王国の食堂でよく食事をするが、今のところ、それで気持ち悪くなったことはない」
「だいたいのことが分かってきました。次にお口の中のチェックをさせてください」
「わ、わかった……」




