第2話:皆の仕事ぶり
★★
葉々見我 勲造の治療はうまい。
「こんにちは、鈴木さん。今日はレントゲンで見つかった虫歯の治療をしていきましょうね。まずは麻酔しますね」
「ええ…勲造先生、よろしくおねがいします」
プスッ! ………ギュィィィィィィィン!!!!!!!!!!!
キュッ!
「はい、麻酔した後、虫歯を削って仮詰めしましたよ」
「早っ!!! いやいや早っ! 2行しか治療シーン書かれてないっ!」
「私にかかれば2行で事足りるのですよ!」
「せ、先生…(キュン)」
葉々見我 勲造は恋愛フラグを立てまくり。
ただ治療をしているだけなのに、なぜかファンがめちゃくちゃ増える。
フラグも立てるし、自費のファイバーコアも立てる。
もはやフラグ王といって良いのではなかろうか。
★★
士香 栄子の歯石取りは独特だ。
「はい、じゃあ歯石とっていきますね―」
「よ、よろしくおねがいします」
あー…きっと、あの院長先生みたいに優しいんだろうなぁ。
ちょっと厳しい顔をしているけど、俗に言うツンデレってやつか。ほほ^〜
というフラグを折るのが栄子の得意技である。
じゃっ!じゃっ!じゃっ!
「……!!!!」
じゃっ!じゃっ!じゃっ!じゃっ!じゃっ!
「!??!???!?!?!」
じゃっ!じゃっ!じゃっ!じゃっ!じゃっ!じゃっ!じゃっ!じゃっ!
「(こ、この歯石取りは……!!!!)」
「ほぅ…随分と溜まっているじゃないか。こんなになるまでどうしたんだぁ……ううん?」
「ひゃ、そ、それは……」
「さては歯間ブラシで掃除するのをサボっていたなぁ? ん? 私にはわかるぞ」
「あがっ……あががが……」
「スケーラーを歯茎と歯の隙間にゆっくり挿入して、いっぱい出してやるからな」
「……ふあい♡」
士香 栄子は同性からも恋愛フラグを立てまくり。
歯石取りを舐めると50歳以降に絶望しがち。
理解は後でいいから最低でも半年に1回は歯医者で歯石を取ろう!
★★
金館 地理雄の治療計画は大胆だ。
「……ほう、また保険適応の銀歯をね」
「だって〜よくわからないし、だったら安いほうが良いじゃん!」
壁デゥン!!!!!
「ヒャッ!」
「君にとって俺はその程度の男だっていうのかい? がっかりだぜ……」
「えっ……?」
「銀歯はたしかに安いが、時間経過とともに劣化して、その隙間から虫歯ができやすいんだぜ」
「む、虫歯が…!?」
「二次カリエスってやつさ。そしたらまた俺がそこを治療してやらなくちゃいけない」
「ひゃっ!」
「……だが銀をゴールドに変えたらどうなると思う?」
顎をくいっと
「長持ちするんだよ。そしたら君とまた会うとき、虫歯のない笑顔を見てやれるんだぜ……」
「ぽっ……」
「しかも歯との親和性が高く、口腔内への負担も少ない。見た目を気にするならセラミックもオススメだが……」
壁デゥンデゥン!!!!!
「奥歯だとふとした瞬間にひび割れる可能性もある。だがゴールドなら砕けない」
「す、素敵…!!」
「歯医者の自費治療はボッタクリじゃねえ…むしろ慈善とも言える値段で次のステージの治療を受けられる」
「神の領域……」
「悪くはしねえ、君を完璧にしてやるよ。どうする?」
「ゴ、ゴールドインレーでお願いしますぅ……!」
金館 地理雄のCVは鈴村●一さんです。
かっこいいね。よろしくおねがいします。