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第19話:戻りし職場

「わぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁい!!!」

「ひぃぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇ!!!!!!!!!!!」


 と、2人が落下しながら叫び続けること約30秒。

 見えない底が光り始めて二人を包み込む。

 そして――


 ……

 …


 シュンッ! スチャッ!!!


 急に地面が見えたというのにタイミングよく着地してセーフの勲造。

 ジノールはせめて戻った瞬間にケツを付いて倒れろ!とでも思ったのだろうが、

 残念ながら勲造の体幹がものスゴイせいで、そうもいかなかったようだ。


「わぁ、本当に戻ってこれた。さすが魔女さんですね!」

「そ、その……落下の勢いで頭がくらくらして……あまり状況を確認れきないのれすが……こ、ここは……」


 肩車されっぱなしのリトールは、頭を回しながら勲造に質問をする。


「ここは港区にある僕が経営している歯科医院ですよ!」

「し、しかいいん?」

「はい、歯科医院です! 今は誰も居なくて分かりにくいかもしれませんが、昼間は多くの患者さんたちの歯の治療を行う医療機関なんですよ!」


 と、なんとなく現状の時間が気になった勲造。

 診察室に置かれている時計の時刻は夜7時1分を差している。


「……おや? 僕が倉庫を調べたときから1分くらいしか経っていない……? おかしいな」


 確か異世界では体感2時間程度は散策していた勲造だったが、そういえばあれだけ動いたというのに疲労も全くと行っていいほど感じられない模様。


「ううむ……勲造殿は、世界と世界を行き来している時点で既に特異なことをしておられるからな……時間の経過に歪みがあっても今更驚くことでもあるまい…」

「なるほど、そうですね!」


 ……この順応性と納得感である。



「ところで勲造殿……?」

「はい、何でしょうかッ!!!!!(デッカイ声)」

「そろそろ私を肩車から降ろしてはいただけぬだろうか……? さすがにずっと乗せられたままでは少々はずかしくてな……」

「あっ、そうでしたね、すみません! あまり負担じゃなかったので気になりませんでした!」


 勲造はニッコリと謝ると、腰をかがめてリトールを地に降ろす。

 なんだか久々に地面に足をつけたような感覚のリトールは、妙な感覚が残りつつも深呼吸して落ち着く。


「では、早速治療を開始しようと思いますので、お席の方へ掛けてください」

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