第12話:闘技場での闘い02
「へぇ〜合気道ですかぁ」
「合気道は我が国より存在する武道の1つ。かつて異国の風来坊が国々を回って伝授していたと言われている」
「僕の世界と重なる場所があるものですねー」
世界が違えど1つでも共通認識が有ると嬉しいものだ。
しかし――
「僕はキックボクシングは嗜んでいますが、合気道の知見はほとんどありませんよ」
「なるほど……異国の武術を習得されているといえど、ルールが違えば上手く交えぬのですな」
リトールは数秒考えると。
「では、こうしましょう。私は合気道で、勲造殿は異国の武術で闘い、相手の背中を地面につければ勝ちということで宜しいだろうか」
「なるほど、それは分かりやすいですね」
「武術である限り、過剰に殺したり血を流すことはなかろう。ならこれでいい」
それぞれの武道では技のようなものが有る。
合気道の場合、そのバリエーションが多く、四方投げ、入り身投げを始めとした相手の出方に合わせつかみ投げ飛ばす技から、これまた同じく相手の動きに合わせて押さえつける絞め技がある。
相手の動きや勢いを使い、その戦法を決める武術と言えよう。
一方、勲造が嗜むキックボクシングは、
キック、パンチを利用した戦闘スタイルだ。
これまた相手の出方に応じて、キックの高さを変えることで攻撃に転じる。
細かな動きや挙動を見極め優位な攻撃を出す意味では、じゃんけんに近いところがある。
相手の背中を地面につけるという意味だと、足払いが有効だろう。
つかみという概念がない格闘技のため、優位性で言うとリトールが上だ。
「僕はつかみなどの技術はないですので、打撃で転ばせることになると思います」
「ほほぅ、それは良い情報だ。勲造殿、闘いの仕方は敵に教えるものではありませぬぞ」
「なるほど〜それも戦闘の一環なんですね!」
「(おちゃらけたフリをしているのか、これが素の姿なのか分からぬが……少なくとも、この現状を見て、私が油断することは……決して無いっ!!)」
リトールの構えが今一度ギュッと引き締まる。
これが本物の戦場の場合、一瞬の緩みが死を招くことになる。
「行くぞっ勲造殿!! 騎士リトール参るっ!!!!!」




