第11話:闘技場での闘い01
その後、勲造の度重なる快諾の嵐をかいくぐり、リトールはなんとかお願いを伝えることに成功した。
ちなみにここまでで1時間です。
今回は割と早いほうでした。
……
…
闘技場-ブラケット-
「へぇ〜ここが闘技場の中なんですね〜! 昔旅行で行ったコロッセオそっくりだぁ!」
「ほほぅ、勲造殿は別の闘技場にて戦われていたのだな。やはり相当の実力をお持ちと見られる」
コロッセオはイタリアのローマにある伝統的な闘技場だ。
西暦80年、つまり今から1900年以上も前に建築された円形の建物で、かつては人と人、または人や猛獣が戦う姿を娯楽とする時代があり、戦いの場として使われていたものだ。
現代ではそのような使われ方をすることはなく、
歴史的建造物として、その地域の象徴として今日もその姿を人々に魅せ続けている。
そんなコロッセオと似ている建物というのが、この世界で言うプラケットだ。
「勲造殿、無理なお願いをして申し訳ない」
「僕なんかで良かったんですか? もっと強い本職の方が居るのでは無いですか?」
「いえいえ勲造殿。貴殿の戦闘能力は確かなものだ。是非この私と一度手合わせしてほしい」
リトールが勲造にお願いしたことというのは、前述の通り手合わせだ。
騎士として名高い功績を残している彼女だが、それでも悪い人間やモンスターが存在する限り、高みを求め続けなければならない。
彼女は16というたいへん若い騎士ではあるが、
この2年の内に、悪党を70人、モンスターを130体倒している実力派だ。
地位も、名誉も、お金も手に入れている。
だが、尚も高みを求め続ける野心がある若人だ。
そんな彼女の願いを断るようでは、歯科医として失格だ。
「僕はさっき魔術屋で手に入れた予防歯科マジックしか持っていないですよ」
「よぼ……? ん? よくわかりませぬが、魔術屋で魔術を購入したということですね」
「お嬢さんの持ってる大剣で斬られたら、僕死んじゃいますからね」
「そのことでしたか……なら心配ご無用」
リトールはそういうと、武器や防具を全て脱ぎ捨て、インナーかつ素手の状態で
勲造の元へと近づく。
「闘技場といえど、善良な人と人が傷つけ合うことは、
法としても倫理としても認められていない。
なので、力を示しあうとある武道が有る」
「その武道とは?」
リトールはニヤリと不敵に笑うと、
両肩の力を抜き、ぬらりと視線を向け、片足を前に出して構えとしている。
そう、これが――
「合気道だ」
「合気道っ!」




