積載
村長に連れられて、俺はルフの家まで来ていた。イスカのことは気になるから、後で話は聞いてみるか。
「おーい、ルフいるか!?」
ドンドンドンと村長は扉を乱暴にノックした。が、中から返事は帰ってこなかった。留守なのだろうか?
「おーいっ!!」
再びノックをするが、返事は帰ってこない。
「あいつ、まだ寝ていやがる」
そう言うと、なんの抵抗もなくドアノブをひねり、引いた。扉に鍵はかかっていなかった。
「おい、入るぞ」
村長は、ルフの返事を待たず、ドカドカと入って行った。女の家だぞ、いいのかよ。
家の中は、服やら、キューブやらで散らかっており、俺を驚かせた。
「本当にルフの家なのか?」
思わず、村長に聞いてしまった。
「ん?あれ見てみろよ」
村長が指さした先には、ルフが床でへそを出し、いびきをかいて寝ていた。
「おーい、起きろ」
村長がルフの体を揺すった。
「ほへぇ、もう朝っすか」
案外、素直に起きた。
「おぉ、起きたか。おめえの分の朝飯持ってきたぜ」
「んっすまないっす」
村長が懐から、キューブを取り出し、中から、先ほど食べた朝食を出した。ルフは眠たい眼をこすり受け取り、胡坐をかいて、食べ始めた。イスカとの対応が天地の差だ。どうして、ここまでついたのか。
「それで、俺の荷物はどこだ?」
「あぁ。すまないっす」
ルフはスープで汚れた口を手で拭った
「よっと」
ルフは立ち上がり、ちらかったテーブルの上に朝食を置き、よろよろと、棚まで歩いた。こんな奴に預けて大丈夫だったのか。
棚の中を開けると、
ドサドサドサ
中から、大量のキューブやら雑貨が雪崩れてきた。まさか、そんな。
「えっと…、この中にあるっす」
ルフが分が悪そうに言った。
「なんで、こいつに預けたっ!!」
俺は我慢できずに、声を荒らげてしまった。
「すまねぇ、お前のこと全部ルフに任せちまった。荷物探し、手伝ってやるからさ」
「はぁ…」
俺たちは、積もった山の中から、俺の荷物探しを始めた。
「おい、あんちゃん。これ見てみろよ」
「ん?あったのか」
見せられたのは、女性の下着だった。
「真面目に探してくれ」
村長に呆れたが、作業を続けた。
似たような、バッグを見つけたが、これじゃない。
「あったっす」
ルフが棚の中から、俺のバッグを見つけた。後は、ポーチと刀だ。刀は、見つけやすいと思ったが、なかなか見つからない。もしやと思って、キューブのコンソールを開くが、中身がなかったり、関係ないものが入ってた。中身がないなら、纏めればいいのに。
「おい、あんちゃん。ポーチあったぜ」
村長の手には、俺のポーチが握られていた。
「あとは、刀だな」
「刀なら、置いてきたっすと」
「なにっ!?」
俺は、急いで、ポーチを巻き、バッグを持って、外に向かった。
「どこに行くっすか?」
「刀を取りに行く」
「一人は危ないっすよ。傷口が開いたら、どうするんすか?」
「あれは、大事なものなんだ」
ルフの静止を聞かず、歩みを進める俺に
「丸腰でいくつもりか?」
村長の鋭い声が、俺の足を止めた。
「しゃーねえから、俺も着いていく。丁度、食料が足りなくなってきたからな」
村長がぼりぼりと頭を掻いて、立ち上がったが、足元のキューブを踏み、ドンっと転んだ。
俺は、村長の元まで戻り、村長の手を取った。
「ルフと一緒に行っていいか」
「うちっすか?」
「あぁ、大体の位置を把握してるし、この森に詳しそうだからな」
ルフの顔は、ポカンとしていた。
「構わないぜ。おいルフっ準備しな、そいつが無茶しないように見張っておけ」
「いや、ん、ええ」
ルフは釈然としない顔で目をぱちくりしていた。
「そういうわけだ。よろしく頼む」
「あぁ、えぇ、わかったっす。準備するから、外で、待って欲しいっす」
ルフに言われた通り、俺と村長は、ルフの家から出た。




