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Namenlos   ー名もなき旅人ー  作者: タギリス
13/26

積載

村長に連れられて、俺はルフの家まで来ていた。イスカのことは気になるから、後で話は聞いてみるか。


「おーい、ルフいるか!?」


 ドンドンドンと村長は扉を乱暴にノックした。が、中から返事は帰ってこなかった。留守なのだろうか?


「おーいっ!!」


 再びノックをするが、返事は帰ってこない。


「あいつ、まだ寝ていやがる」


 そう言うと、なんの抵抗もなくドアノブをひねり、引いた。扉に鍵はかかっていなかった。


「おい、入るぞ」

 

 村長は、ルフの返事を待たず、ドカドカと入って行った。女の家だぞ、いいのかよ。


 家の中は、服やら、キューブやらで散らかっており、俺を驚かせた。


「本当にルフの家なのか?」


 思わず、村長に聞いてしまった。


「ん?あれ見てみろよ」


 村長が指さした先には、ルフが床でへそを出し、いびきをかいて寝ていた。


「おーい、起きろ」


 村長がルフの体を揺すった。


「ほへぇ、もう朝っすか」


 案外、素直に起きた。


「おぉ、起きたか。おめえの分の朝飯持ってきたぜ」

「んっすまないっす」


 村長が懐から、キューブを取り出し、中から、先ほど食べた朝食を出した。ルフは眠たい眼をこすり受け取り、胡坐をかいて、食べ始めた。イスカとの対応が天地の差だ。どうして、ここまでついたのか。


「それで、俺の荷物はどこだ?」

「あぁ。すまないっす」


 ルフはスープで汚れた口を手で拭った


「よっと」


 ルフは立ち上がり、ちらかったテーブルの上に朝食を置き、よろよろと、棚まで歩いた。こんな奴に預けて大丈夫だったのか。

 棚の中を開けると、


 ドサドサドサ


 中から、大量のキューブやら雑貨が雪崩れてきた。まさか、そんな。


「えっと…、この中にあるっす」


 ルフが分が悪そうに言った。


「なんで、こいつに預けたっ!!」


 俺は我慢できずに、声を荒らげてしまった。


「すまねぇ、お前のこと全部ルフに任せちまった。荷物探し、手伝ってやるからさ」

「はぁ…」


 俺たちは、積もった山の中から、俺の荷物探しを始めた。


「おい、あんちゃん。これ見てみろよ」

「ん?あったのか」


 見せられたのは、女性の下着だった。


「真面目に探してくれ」


 村長に呆れたが、作業を続けた。

 似たような、バッグを見つけたが、これじゃない。


「あったっす」


 ルフが棚の中から、俺のバッグを見つけた。後は、ポーチと刀だ。刀は、見つけやすいと思ったが、なかなか見つからない。もしやと思って、キューブのコンソールを開くが、中身がなかったり、関係ないものが入ってた。中身がないなら、纏めればいいのに。


「おい、あんちゃん。ポーチあったぜ」


 村長の手には、俺のポーチが握られていた。


「あとは、刀だな」

「刀なら、置いてきたっすと」

「なにっ!?」


 俺は、急いで、ポーチを巻き、バッグを持って、外に向かった。


「どこに行くっすか?」

「刀を取りに行く」

「一人は危ないっすよ。傷口が開いたら、どうするんすか?」

「あれは、大事なものなんだ」


 ルフの静止を聞かず、歩みを進める俺に


「丸腰でいくつもりか?」

 

 村長の鋭い声が、俺の足を止めた。


「しゃーねえから、俺も着いていく。丁度、食料が足りなくなってきたからな」


 村長がぼりぼりと頭を掻いて、立ち上がったが、足元のキューブを踏み、ドンっと転んだ。

 俺は、村長の元まで戻り、村長の手を取った。


「ルフと一緒に行っていいか」

「うちっすか?」

「あぁ、大体の位置を把握してるし、この森に詳しそうだからな」

 

 ルフの顔は、ポカンとしていた。


「構わないぜ。おいルフっ準備しな、そいつが無茶しないように見張っておけ」

「いや、ん、ええ」


 ルフは釈然としない顔で目をぱちくりしていた。


「そういうわけだ。よろしく頼む」

「あぁ、えぇ、わかったっす。準備するから、外で、待って欲しいっす」


 ルフに言われた通り、俺と村長は、ルフの家から出た。


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