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散華のカフカ  作者:
三部 飢餓の弓
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二十四章 首都陥落作戦-第四首都 陥落-

終末のカウントダウンが少しずつ動き出す。

其々の思いが交錯し、一刻、また、一刻と進む。

 (クアク)は走り出す。

 仲間達の無事を祈りながら、彼らが居るとされている部屋に足を運ぶ。


 そして、扉の前に立つとシモンからもらった鍵を使い、部屋に入った。


 そこにはボロボロになっていたラスコーが眠っており、彼の手を握っているブローニャの姿があった。


「ラスコー、大丈夫か?」


 (クアク)がそう口にするとブローニャが居なくなり、彼の首元に戦斧の刃が突きつけられた。


「認識、(アズマ) (クアク)。貴方でしたか。てっきり死んだかと思いましたよ」


「会って早々そんな事を口走らないでくれ。久しぶりって言えばいいか?闘争の兵器」


 (クアク)がそう言うと口に人差し指をつけられ、彼女は声を上げた。


「訂正、私はブローニャ・デッカート。闘争の兵器ではありますが人の子でもあります。なので、名前で呼んでください」


 (クアク)は彼女の動きに少しばかりドキリとするもすぐに切り替えて笑いながら手を出した。


「ああ、分かったよ、ブローニャ。これからよろしく頼む」


「確認。これからよろしくお願いします、(アズマ) (クアク)


 ブローニャは差し出された手を握り返し、少し微笑んだ。瞬間、ブローニャの横に黒い影が立っており、それに気づくと二人は敵かと思い武器を構える。


「ご安心を、私です。皆様、欠けることなくここに集まれましたね。作戦を続行しましょう。シモンさんを説得」


「ああ、その件だがもう終わったよ。シモンさんが降伏を宣言した」


 (クアク)の言葉を聞くと影縫は目を丸くした。


「どう言う事ですか?」


 (クアク)は自らが彼女と会った経緯を話すと彼らはそれを聞きながらあまりの展開の速さに少しついてこれていなかった。だが、彼が嘘をついている事も無いと分かっており、追いつかない思考を無理矢理纏め、影縫は再び口を開いた。


「かしこまりました。五分後に作戦終了の連絡をします。お疲れ様でした。この後の作戦も残っているので暫し連絡を待ちましょう」


 しかし、唐突に彼らの端末がけたたましく鳴り響くと束の間の静寂に終わりを告げる。


 影縫はすぐさま電話に出ると端末の向こうからサイレン音が鳴り響いていた。


「影縫、良かった」


 声の主はリリィで彼女は焦っている事が伺え、影縫は少しばかり興奮した声音で応える。


「単刀直入に言います。何が有ったのですか?」


「よく聞いて、襲撃された。第二、第一首都合同軍が地下街の扉を無理矢理こじ開けて入って来たわ。皆んなが任務中なのは分かる。だけど、作戦が終わったら早く来て。こっちはエルザと二人じゃ流石に無理があるから」


 その一言が終えた途端、通信が悪くなったのか画面が揺れ始め、連絡が途切れてしまう。


 影縫はすぐに黒い影を作り出し、それを(クアク)とブローニャの周囲に出した。


「聞いていたと思います。埋葬屋本部が襲撃されました。すぐにそちらに向かって下さい」


「拒否、ラスコーを置いてくのであれば私は残ります」


 ブローニャは彼の動かない体に手を置くと影縫に少しばかりの敵意を向けるも彼はそんな事を気にせず、言葉を繋げる。


「安心して下さい。自分がここに残り残ったメンバーに連絡します。この中で一番弱いのは私です。なので、合理的に私が残るのが一番です。それにお二人にとってはまだ馴染みの無い場所ですがあそこは私の、いや、私達の帰る場所なのです。私の実力不足で影からの瞬間移動は二人が限界。だから、お願いします」


 影縫が頭を下げるとそれを見た(クアク)とブローニャは二人同時に同じ言葉を口走る。


「「了解!」」


 その声を聞くと影縫は少しばかり微笑むと根源に眠る兵器を引き出す為、いつもよりも早く、短く呟いた。


生命開放(オープン)絶影海(カゲウミ)影伝(ツタイ)


 黒いモヤが発生し、兵器二人が消える。

 そして、影縫はデバイスを開き、作戦終了時刻ピッタリに埋葬屋全員に連絡した。


「第四首都陥落。繰り返します。第四首都陥落!そして、今埋葬屋本部が襲撃を受けて居ます!直ぐに向かえる方は向かって下さい!」

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