幕間 余韻
時の神と復讐に身を焦がした修羅。
二人は一つの体で二人の魂を共有し、子の成長をゆっくりと見守り続ける。
目の前から一瞬にして、闘争の兵器は居なくなり、一人残ったクロノスはその場に座り込むと一人でに呟く。
「なぁ、アシモフ。俺とお前が混ざってるって事言えば良かったろう?何故、拒んだ?闘争の兵器がさっきの言葉を嘘なんて疑う事もないだろうに」
「いいんだよ。これでいいんだ。あの子が親離れ出来なくなってしまうだろ?」
「親離れ出来ない子供ってのは案外可愛いもんだぞ。ゼウスとか俺を殺すまで親離れ出来ないガキだったしな」
「お前の話は規模がデカすぎる上に嘘か本当か分からない。まぁ、お前も変わったな。息子達を恨み、それに復讐する為に生きた時の神が自らのこの話をするなんて。どう言う風の吹き回しやら。だが、そうだな、親離れ出来ない子が目の前で一人立ちする姿は見ていてとても、感慨深い」
「そうだな。まぁ、俺もお前と出会えて色々変われた。じゃあ、そろそろ帰るか。俺達の帰りを待つアナが居るしな」
「帰る事になら賛成だ。だが、おい、クロノス。お前、アナって呼ぶなよ。俺とディック隊長以外は呼んだら駄目なんだからな」
「そんな権利はお前には無いさ!さて、はやく帰るぞ」
「おい!話を晒すな!てか、話晒しても逃げ場ないんだぞ、この体。あ、少し待ってくれ、クロノス。ブローニャが挨拶をしてったんだ。俺達が礼節に欠けてしまえば彼女に悪いからな。ちゃんと挨拶の返事をしてから去ろう」
「「行ってらっしゃい、ブローニャ」」
一人の体で二人の似た者同士が独り言を呟き続けた。そして、彼の声は次第に消えて行き、最愛の人が待つ場所へと再び帰って行く。
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