幕間 布告
過去編の山場開幕です!
是非お手に取って頂けると幸いです!
「日本国民諸君に通達である」
テレビから音がし、彼らは皆それを食い入る様に身始める。
「私は凪良真琴。我々は五年前の悲劇の後様々な紆余曲折を経てここは至った。あの日、多くのものを無くしてきただろう。しかし、それを取り戻すために我々が中心となり統合政府に参加していない国全てを一つにした反統合政府軍を結成した。今こそ、反旗を翻す時が来たのだ! 国民達よ、かつての雪辱を果たそう! 繰り返す! 」
彼の声は大きく島国の各所に響き渡る。
「そうだ、かつての雪辱を果たす時だ! 」
誰かがそう叫んだ。
それが一つの波となり人々は皆彼の声に賛同し、雄叫びを上げる。彼らは止まることを知らなくなり、その体が朽ちるまで進み続けるであろう。その先にあるのが更なる混沌を生む事を知らずに。
***
「本当にこんな上空から行くのか? 」
「しょうが無いだろう。本当ならもう少し後にここに行く予定だったんだが。彼らが宣戦布告をしてくるなんて思ってもいなかった。統合政府傘下の各国から不満の声が相次いでね。早めの対処をした方がいいとデウスの予想が出た」
ペトゥロはそう答えると準備運動を始めるとそれを見た、ジュダは彼に問いかけた。
「デウスでこの強襲作戦が成功するかは見なかったのか? 」
「二年前にイアンコフを亡くした時に痛い目を見たからね。だから、何も見ていない。今回は誰も知らない未来だ。二人とも心してかかってくれ」
そう言うと操縦席からダルタニャンの声がする。
「皆さま、目的地上空に到着しました。この後、私もすぐ援護に参りますのでどうかご無事で」
「了解、ダルタニャン。みんな反統合政府軍制圧作戦開始を開始する。それじゃあ、良い旅を」
ペトゥロ、ジュダ、戸松は彼らを運んでくれたヘリコプターからその身を空へ投げ捨てる。
ヘリから降りる体に重力が一気にのしかかる中、三人はほぼ同時に開放を行った。
「生命開放、絶粉砕・流星」
「生命開放、絶技・衝撃」
「生命開放、絶戦神・怒髪衝天」
三つの凶星がその地に降り立とうとするのを反政府軍は確認すると各隊及び軍本部に伝達を入れる。
「三つの光を確認。三虚神の三人だと思われます。各自戦闘態勢に入ります」
凪良はそれを聞くと腰の刀をさすりなが口を開いた。
「おおかたお前の予想通りになったな、妹背山」
「そうだね、今回で決着をつけたい。その為に新人類の彼らの多くに犠牲になってもらったんだし。それはそうとアシモフ、準備はいいかい? 」
声をかけられたアシモフは瞑っていた目を開くとそれに答えた。
「ああ、出来てるよ」
三つの閃光に現代兵器が大量に降り注ぐ。
しかし、それら全ては意味をなさず、彼らは最も簡単に日本本土へと降り立った。
「さて、こっちも本格的に始めようか」
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