幕間 無念
短い文で心が軽い。笑笑
でも、話は重いので気をつけてください!
「なかなかいい結果だ。生命武器の根源と繋がり過ぎるとあちら側に引き摺り込まれちゃうのか。まぁ、あれはプロトタイプで匙加減が分からなかったから仕方ないね」
男は明かりも灯さずにある画面に映る映像に釘付けになっている。その映像にはジュダとディックの戦いの記録が流されており、それを眺めながら男は資料を整理した。
「ふむふむ、あの神羅って武器は身体の爆発的強化を主体にしているのか。万象と言う武器の方がよっぽど魅力に感じてしまうけどなー。不可視の斬撃、打撃、凍結、まだまだ色々出来そうだし、狙うならあっちかな。でもなー、僕の武器もまだ未完成だし、今回の執行者も扱い失敗して彼らに取られたろうし。はぁ、本当についていないな。政府の役人共は五月蝿いだけで役立たずばっかだし。まぁ、仕方ないか。僕以外の生命武器研究者はもういなくなっちゃったし。妹背山さんが一肌脱ぎますか! 」
妹背山と名乗った男は立ち上がると画面を消さずにその暗い部屋を後にする。画面には一定期に彼らの戦闘が流れていた。
***
「すまない、アナ。本当に、本当にすまない。義父さんを隊長を見捨てて逃げてしまった。俺も彼の代わりになろうとしたんだ。でも、彼は俺を、俺たちを生かすために自ら犠牲になった。本当なら最後まで彼の戦いの補助をすべきだったんだ。だけど、俺は、俺は逃げてしまった。あの二人の姿を目の当たりにしたら足がすくんだ。気づいた時には彼に背を向けていた。恐ろしかったんだ。怪物だった」
アシモフは懺悔、後悔、恐怖、それら全ての感情により心がボロボロになっており、そんな彼に話を聞いていたアナと呼ばれた白い髪の女は近づいていきそっと抱きついた。廃れた彼を慰める様に彼女は優しく抱きしめる。
「あなたが悪い訳じゃないわアシモフ。今はもう昔のようにみんながみんな生きていける時代じゃなくなってしまったの。そんな中、父さんは若い世代に自分の役目を任せて死んでいったはずよ。ならば、私は父さんに感謝しなきゃ行けないわ。父さんが自分を犠牲にしてでも、あなたを私の下へと返してくれたの。それだけで私はあなたにも父さんにも感謝をしてるのよ。だから、そう言う風に謝るのはもうよして」
「アナ、俺は君に何もやってあげられていない。君から父親を奪ってしまった。本来なら俺が、俺が死ぬべきだったのに… 」
「違うわ、アシモフ。さっきも言ったでしょ。父さんはあなたに生き残った彼らに未来を託したのよ。あなたはこれから父になるのよ。そんな事を言わないで」
「だから、俺は彼に生きて欲しかった。彼に孫を見せてあげたかったのにどうして」
そう言うと男は再び泣き崩れ、そんな彼をアナスタシアは隣でずっと支え続けた。
彼が泣くのを止めるまで、ずっと側に居続ける筈だった。
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