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僕と貴方と私  作者: 輝
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1話「出会わない」

1話「出会わない………」


「つまんねぇな…。あの人、どこにいんだろ…?」

静まり返った教室。窓から見える景色はホコリのように舞い散る粉雪。ヒーターに1番近い席を陣取り、1人思いにふける。あんまり喋ったことの無い奴の席だとしても構いはしない。どうせこの教室にはしばらく誰も来ない。ついさっきまでここで騒いでいた奴らは今頃馬青春だなんだっつって部活だの恋路だのではしゃいでやがる。俺には馬鹿としか思えない。

「ちっ…」━━━━━━━━


「…の……あの、、あのっすみません!」


「……ん?…うおっ!?」

どうやら眠っていてしまっていたらしい。


「あの!すみません!そこ!私の席なんで!」


俺をたたき起こしたのは、この学校でも有名人である矢野美咲だ。こいつはいわゆる出来すぎちゃん。スポーツ万能、成績優秀、おまけにルックスもいいのでこの学校どころかここら辺の地域ではアイドル的存在だ。まあ、喋ったことねーけど。


「あ、すんません!俺、寝てたのか?」


「寝てたのか?じゃないわよ〜。私の席使うのは構わないけど、ヨダレとか垂らしてないでしょうね!?」


「!?」焦って確認したが、大丈夫だった。


「なんてね〜。ジョーダンよ、ジョーダン。あなた、確か相田くんよね?相田 コウだっけ?意外と間抜けな反応するのねー笑。もっと暗いやつかと思ってたわ。」


「あはは…」

なんなんだこの女は。ほぼ初対面の男を堂々とからかいやがって。馴れ馴れしいったらありゃしねぇ。


「あなた放課後の教室で1人で寝てるなんて、ひまなの?」


うるせーよ。

「いや、その…」


言葉につまる俺を見兼ねたのか、また彼女は喋り始めた。


「まあいいわ。私、忘れ物取りに来たの。ちょっとそこいい?」


「あ、はい。どうぞ。」


彼女は筆箱であろう物を机からゴソゴソと取り出し、カバンに詰め込んだ。


「ほい。ありがと。じゃ、私帰るわ!」


「あ、はい。さよなら。」


彼女はクスリと笑い、教室の扉へ向かった。廊下に出て扉を閉める前に俺の方を向き直してこう言い放った。

「あなた毎日放課後ここにいるの?」


突然の言葉に動揺が隠せない。不意に「おう!?」

と応えてしまった。


その反応を見た彼女はまたクスリと笑い「そっか!じゃあまたね!」そう言って教室を後にした。


なんだったんだ。


ゲリラ豪雨のように去っていった彼女、美咲。その豪雨がいなくなった教室はやけに静かに感じた。

彼女と入れ違うように一人の男が入ってきた。


「よー!またせてわりーな!コウ!」


「おせーぞ、ぼけ!」


こいつは那和 賢太。俺とよくつるんでる男だ。


「わりーって言ってんじゃん。思ったよりミーティング長くなってさー笑。」


「ま、いいけど。それよりお前、ほとんど幽霊部員みたいな感じのくせにミーティングなんて行く意味あんのか?」


「まーなぁ。一応バスケ部の部員だし、行っとかねーと申し訳ねーだろ。」


「そーゆーもんかね。」


「そーゆーもんなのよ。」


相変わらず、変なところで芯がないようである男だ。俺はコイツのそういう所が好きなのかもしれない。


「今日もどっか寄ってく?」


「またかよー、そろそろ金なくなんぞー」


俺たちはいつもと同じような会話で教室を後にした。

ここまで読んでいただきありがとうございます。

小説は普段ほとんど読まず、語彙も拙いですか何卒よろしくお願いいたします!

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