必殺技っぽいモノの名前言っていこうぜ
なろうラジオ大賞2参加作品(1000文字以下)です。
「なぁ、必殺技っぽいモノの名前言っていこうぜ。
人名とか商品名は抜きな」
「よかろう、受けて立つ。
名前の前に詠唱を入れるのは有りかね?」
「いいねぇ、入れよう入れよう。
よりソレっぽい方が勝ちな」
「ふははは、負けるビジョンが全く見えぬわ!」
「あ。先攻、俺でいい?」
「構わん。そちらが発案者であるしな」
「じゃ、遠慮なく。
えー……」
【鳴り響けっ……インターホン!】
「っおい、何だそのやる気のない詠唱は!」
「ええ、そんな悪くなかっただろ?」
「いかに必殺技っぽさを出すかの勝負で短縮形は悪手が過ぎる!
今のは練習というコトにしてやるから、私の詠唱を手本にしろ!
ううむ、そうだな、音声繋がりでいくか……」
【彼方に散りし同胞の咆哮よ、求めに応じ我が手中に集え……トランシーバー!】
「っあーあー、はい。そういうアレね。
分かった、次は任せろ」
「頼むぞ、本当」
「おう、行くぜ」
【聖なる銀に抱かれて眠れ……アルミホイールっ!】
「おっ、いいぞ! 中々やるじゃないか!
では、私の番だ!」
【開闢の理よ、今こそ流転の時、来たれり……フライ返しッ!】
「くぅっ、台所用品で揃えて来るとは卑怯な!」
「ふっ……後攻には後攻の戦術というものがあるのだよ!」
「だったら、コレはどうだ!」
【廻れ廻れ、疾く廻れ、其は大地を蹂躙せし者なり……出でよ、車輪っ】
「おっと、回転繋がりならば、もっと良い物があるぞ?」
【永久に儚く咲き誇れ、悠久石花……万華鏡ッ】
「うええ、万華鏡は反則だろ!」
「どうした、お前の実力はその程度か!」
「もういいや。さっきから全然勝てる気しねぇもん」
「ええ? 何だ、あっさり音を上げて。
つまらんなぁ。
かつて不屈の勇者と呼ばれていた男の言葉とはとても思えん」
「はあ?
いつまで前世のこと引きずってんだよ、大魔王様は。
俺もお前も、今はしがない日本の高校生だろ」
「だって、千年単位で魔王業やってたんだもーん。
たかだか十と数年ぽっちじゃ忘れらんないよっ」
「の割にスゲェ馴染んでんだよな」
「元大魔王って知ってて私に告ってきた変態には敵いませぇん」
「おまっ! 自分だってOKしたくせにぃ!」
なろラジ129回にて朗読されました。
ありがとうございました。
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