表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。

四年放置した物語を完結させてみた

作者: こしあん

 四年放置した物語を書き終えました。


 同じように、放置されている物語は多いと思います。それら未完結作品の作者の背を、少しでも押せればいいなと思って、「なんで完結まで書ききったのか」、そこに至る私なりの意思を短編という形で投稿しました。

書き終えた作品の宣伝も兼ねて。



◯どうして四年放置した?

 特にこれといった理由はありません。強いて言うなら「書こうとは思っていたけど書けなかった」でしょうか。


 リアルが忙しかったから、感想を貰える他の創作に流れたから、などそれっぽい理由は出てくると思いますが、どれも本質でない気がします。


 忙しくても書く時間は捻出できたし、展開が思いつかなくなったわけでもないし、作品のことが嫌になったわけでもありません。

定期的に読み返しては、このシーン好きだなぁとか思うくらいには自分の作品が好きでした。

読み返して誤字修正とかしてたせいで、放置してる、という実感すら薄かったです。


 だけど、書けなくなった。


 色んな媒体で色々創作物を世に出して完結させてきましたが、一番最初に書いたこの物語だけは書けなかった。


 最終十話程度の文章が、書けなかった。


 展開も全部考えていたのに、書けなかった。


 「書こうと思っているのに書けない」なんて言い訳じみた言葉が自分に当てはまるなんて思っても見ませんでした。


 だけど、これ以外に言い表せる言葉は無いような気がします。


「書こうとは思っているけど、書けなかった」


 コレです。マジでなんなんだろうね。



◯四年間何してた?

 普通に学生して、普通に社会人になって、ほどほどに創作をして、ほどほどになろうを読んでいました。

事故も病気もしてないし、特に病んでいるわけでもありません。

 

 普通に人生エンジョイしてました。


 過去形で言うと匂わせみたいですけど、今もエンジョイしてます。


 結局何が言いたかって、普通に健康に過ごしてたし、四年間なろうという媒体に触れていたのに、自分の作品は書けなかったってことです。

 

 書くことを意識した機会はいくらでもあったのにね。



◯なんで書き切った?

 未完結で終わらせたくなかったからです。

これは、四年間ずっと思っていました。いつか完結させてやると思って、思い続けて四年経ってました。


 なろうという媒体で読み専をしていると、めちゃめちゃよく出会う文字があります。


「この連載小説は未完結のまま約1年以上の間、更新されていません。

今後、次話投稿されない可能性が極めて高いです。予めご了承下さい。」


 これがめっちゃ嫌でした。この文字が見えると即ブラウザバック。完結しない物語は見たくないんだ、という思いで別の作品を探しました。


 そして、この文字を見ると、「自分の作品は違う。いつか絶対に完結させてやるからな」と思うわけです。駄作になろうが酷評されようが無視されようが、自分の物語は完結させてやるからな、と燃えてたわけです。


 実行に移すのに四年かかりましたが。





 正直な話、私の作品を読んでる人は誰もいないと思います。


 感想は2012年連載開始から合計四件。一件はアカウントを削除したせいかもう見ることもできない。

 

 ストーリー序盤はかなりこう……中学生の妄想全開というか、背中がむず痒くなる内容だし、文章の癖が悪い方向で強い。


 視点切り替えがめっちゃ多いし、無駄な描写や設定も多い。


 四年間も放置されてますし、普通に考えて誰も読んでないと思います。


 でも、私は自分の作品めっちゃ好きなんですよ。


 要所要所の展開は今読み返しても胸が熱くなるし、超長期の伏線回収シーンなんて好き過ぎてTRPGのシナリオにリメイクしました。

作者補正が過分に入っているのは自覚してます。ただ、客観的に見てどれだけ駄作でも私は自分の作品が大好きです。


 そんな大好きな作品を、未完結なまま終わらせたくなかった。


 駄作というレッテルは許せても、未完結というレッテルは許せなかった。


 誰が読んでいなくても、それだけは嫌だった。


 仮に自分が記憶を無くしたとして、自分の作品を見つけても、未完結のままなら「完結しないんだったら読まなくていいや」と思って読まないでしょう。


 そんな評価を自分の大好きな作品に下したくなかった。


 四年放置している間、色んな媒体で創作をしました。

色々物語を書きましたが、今のところ、その全てを完結、または区切りをつけて終わらせています。全部好きだと胸を張って言えます。


 ですが、一番最初に書き始めた、一番性癖が篭った、一番好きなこの物語だけが、未完結のレッテルを貼られている!


 それは凄く凄く、嫌なことでした。


 だから書きました。

 

「書こうとは思っていたけど書けなかった」けれど、書きました。



◯書き終えた感想は?


 精一杯、自分の限界を出し切りました。

 ずっと書いてた頃に比べると、駄文になってたりするかもしれませんが、ここが今の自分の限界値です。

 

 ただ……


 やっと。後腐れなく、胸を張って。


 「好きだ!」と自分の作品に言えるようになって満足です。


 完クリした良ゲーを棚に飾るような気持ちです。

とても晴れやかです。


 感想が貰えなくても、PV数が伸びなくても、私は私の大好きな物語を読み終えることができた。

その満足感を得れただけでも、書き終えて良かったと思います。


 モチベーションは人それぞれなので、「未完結」が許せなかったという理由で書き進められる人は少ないかもしれません。


 ですが、未完結が許せない人、いるでしょう?


 未完結作品を見るたび、ブラウザバックをして、「俺は違う」と思うこと、あるでしょう?

 そう思える気骨があるなら、絶対に書いたほうがいい。


 私は腕を動かすのに四年かかりました。

 四年間、燻り続けました。

 「いつか完結させる」はずっと続きます。

 幼き日の恋心みたいに消えてなくなったりはしませんでした。


 その燻りと、どうか真正面から向き合ってみてください。

 「俺は違う」とまだそう思えるのなら。


 






























 さて、ここからちょっと宣伝です。


 上記の作品は予約投稿を終えて2020/10/31に全話公開予定です。それまでは誤字脱字の修正をしていく予定です。


もしよろしければ、私の大好きな駄作をお読みくだされば幸いです。


作品名:『CAIL〜英雄の歩んだ軌跡〜』

ジャンル:ハイファンタジー

あらすじ:帝国による圧政で人々は苦しんでいた。反乱も、抵抗も意味を為さない絶望の時代の中ーー記憶を失った"許されざる種族"の少年と、"闇属性"の魔力を持つ少女が出会う。

記憶を取り戻し、家族と再会し、少年たちは帝国へと抗う。


 これは国をーー否、世界を救った少年、カイルの物語である。



2012年〜執筆開始。

2016年〜執筆停滞。

〜2020年『完結』!!


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
[良い点] 四年経ってからでも百万字以上の大作を終わらせられるというのはすごいことだと思います。
[良い点] 他の作者の背中を少しでも押せたら、という思いが 素敵だと思います。 変に飾らない作者さんの気持ちが書かれていて 理解しやすかったです。 [一言] 自分は読み専なのですが、物語を完結させて…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ