第二節 松本と幼稚な仲間たち
第二節 松本と幼稚な仲間たち
小学生の頃、松本はある意味達観しており、大人びていた。しかし、自分が大人びているコトに気付いてはいなかった。といっても、周りが子供だな、とはよく思っていたようで……。
とある夏のキャンプ――。
少し大きな川の流れるキャンプ場で、松本達のクラスのキャンプが行われた。
夜――、テント内で松本は頭痛にうなされ、寝込んでいた。
「ダイジョウブ?」
3つ上の女子の先輩が心配そうに話し掛けてきた。手には、袋入りのアメを持っている。
「? 要る?」
コクリと松本は首を縦に振った。
「ぱく」
舌でアメを回してみる。すると、
「!?」
頭痛が快方へ向かった気がした。
説明しよう! アメなどの糖類は、時に頭痛を良くしたりする効果を持つかも知れないのだ!!(どんな説明だ?)
「あ、ありがとう……」
頭痛が治った松本はテントから出ていった。外に出ると、夜風が丁度良く、涼しい。少し歩いたことろで、あほのHとカスゴミが川のほとりで口論しているのを見かけた。あほのHが立ち上がり、叫んだ。
「渡辺紗希は俺のモノだ!」
そのまま、
「ザッブーン!!」
川へ飛び込んだ。
(あ……あほだ)
松本は絶句した。するとカスゴミが何かぼそぼそと呟いていた。
「俺のモノだし……」
「!(なんか情けねぇ……!)」
松本は二度、虚を突かれるのであった。
(それにしても……)
二人を見る松本。
(コイツらなんかガキくせえなぁ……)
それから数カ月後、今度は教室で一悶着あったようで――、
双子の姉弟のSの方と、ケシカスヤが口論になっていた。
「やーい暗黒ケシカスや! うんこ食うケシカスや!!」
(〇戯王カードをもじったのか……?)
対してケシカスヤは
「うるせー、シュークリーム!」
Sには大して効いていない。
(ケシの負け……だな)
松本は静かに思う。
(しかし――)
「暗黒ぅー!」
「シュークリーム!」
(どちらも子供――だな)
数年後――、松本は高校生になっていた。
「ガラガラガッシャン!!」
椅子が飛び交う教室。
「パリィイイン!!」
遂にはガラス窓が割れた。
「うるせぇんだよ!! てめえ等!!」
松本が吠えた。
「昼寝ができねぇじゃねぇか!!!!」
まるで大人気ない。
松本の精神年齢は、若返ったのだろうか……?