7.最後の物語
2021年2月26日。
サカイメの書架が最後の配信を終えた。
二年間、お疲れさまでした。
およそ一年前、サカイメの書架に短編を採用され、有頂天になり勢いだけで始めたこの落書きも終わらせる頃合いであろう――
って。
そんなしんみりする資格が果たしてあるのだろうか。一年あって七回しか投稿していないのだが。アクリルキーホルダー自体はとっくに貰っているからむしろそこで終わっているも同然なのだが。
言い訳をすれば、ここで書くものは「新しい挑戦」しばりでいこうと思っていたからで、つまり裏を返せば何も挑戦しなかったということ。
いや。
それなりにはあった。久しぶりに小説の公募に投稿したり、一人暮らしになったり、ラジオリスナーになったり、いろいろした。いろいろあった。しかし、それをネタに、何か書こう、何か書こうとパソコンのディスプレイとにらめっこしても、両手を頭の後ろで組んで背もたれに体を預けても、どうにも思うようには書けなかった。
それがダメだったら日常のふとした気づきとかいつもの空想とかジョークとか書けるネタは何でもあっただろう、と言われればそうなのですが。
そういうのぜんぶ140字小説につぎ込んでるんです。
ほんとに。
あ、昨年末で2,000篇到達しました。よかったら見ていってやってください。
エッセイ的なものを書こうと気張って、しかし結局続かなくて、話のヤマもオチもつけられない。これは偏に私の力不足だ。今回も1,500字前後で書き上げようと思っていたが、反省ばかりを書き連ねることになりそうなので、やめておこう。
唯一誇れるのは、思い感じることをすべて小説に仕立て、物語の数を増やし続けたのは、『最後の物語』で語られたサカイメの書架の理念に沿って少しは貢献できたかなと思うことだ。
さよならココットちゃん。『雨の日の男』のとき、作者より面白いことを言って出し抜いてくれたことは忘れません。かわいいから許します。
そして、いつか。
私が原作者、角掛様が出演者という立場になったとき。
打合せとか対談で直に会うことになった折に。
「あ、じゃあ、目印にサカイメの書架のアレもっていきますね!」
小説朗読チャンネル・サカイメの書架からアクリルキーホルダーを貰えるという報せから始まったこの落書きは、貰ったアクリルキーホルダーをじゃらじゃらぶら提げて待ち合わせをする妄想で、幕を下ろそうと思う。改めて、ありがとうございました。
まだ届いてないぶんのアクリルキーホルダー、待ってまぁす。