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3.140字小説

#サカイメの書架応募 お題「ヒーロー」


ヒーローになれると思っていた。弱きを助け、強きを挫くような。だってあの頃は、自分が弱いなんて思いもしなかったから。今は自分を救ってくれる誰かを探している。寄り添ってくれるだけでいい、あとは勝手に救われてみせるから。ヒーローになるって、こんなにも簡単で、難しい。



#サカイメの書架応募 お題「お菓子作り」


お菓子作りにおいて、「好きに作れ」は通用しない。設計図通りに組み上げるものであり、愛情なんて異物混入はもってのほか。そうして完成したものを眺めるけど、はて、誰のために作っていたのかしら。思い出せなかったので自分で食べた。これならもっと好きに作ってもよかったな。



 以上が、12月募集分のサカイメの書架に応募した拙作だ。

 くたびれている。

 個人的に「ヒーロー」というお題には一家言あるつもりなので、もっとこう、熱く燃える何かをぶつけたかったのだが……くたびれている。残り火って感じ。

 だが、くたびれていても選ばれたのだ。くたびれていても気に入ってもらえたのなら、140字小説を書き続けて、くたびれた甲斐があったのかもしれない。


 140字小説、140字SS、twnovel。

 複数のハッシュタグが存在するが、要は「1ツイート内で完結する超短編小説」のことだ。


 これを書いている現在、私が物書きを自称できるたった一つの生命線であり、1日1本書くことをノルマにしているルーティンワークだ。そのノルマは守れなくなって久しい。本数はこれを書いている時点で1,500本を超えて、今年中に2,000本に到達することを目標としている。

 「ついのべ集」( https://ncode.syosetu.com/n1762dr/ )にまとめてあるので、よかったらどうぞ。


 サカイメの書架に応募できる短編小説の下限は100字から。100字ならなんとかなりそうでしょ。あとは「#twnovel」のハッシュタグを「#サカイメの書架応募」に変えるだけでカンタン登録。これを読んでいるあなたも、次回の募集に賭けてみよう。


 え、何?

 物書きの言う「簡単」は信用できない?

 そんなことないですよ、本当に簡単なんですって。


 それでは、特別に、140字小説を書くコツを教えましょう。






 と、思っていたんですがね。


 私は本数だけなら1,500以上こなしているベテランなのだが……1,500はベテランと言っていいのか、いやベテランのはずだ、誰が何と言おうとベテランなんだ……が、いざ、どうやって書いていたのか文字に起こしてみようとすると、何も思い浮かばない。

 それまでは普通にできていたことが、意識した途端にできなくなる。「イップス」という症状らしい。私はしょっちゅう、階段を上るときの歩幅の取り方をド忘れして足をもつれさせる。「大丈夫ですか?」と声をかけられたとき、「まだこの体に慣れていなくて…」とSFチックな返しを用意しているのだが、「大丈夫ですか?」と気遣ってくれる人はまだいない。でも「頭大丈夫ですか?」と更に返されるオチは何となく見えている。


 不調を理由にこの辺で切り上げてもいいかなと思うのだが、このエッセイで最初に打ち出したのは「自分を見つめ直すこと」。イップスから逃げた私に未来はない。

 過去のツイートを遡り、書き方について何かヒントを残していないかと探してみた。イキリツイートに悶絶しながらも、何とか糸口を見つけ出した。改めて、140字小説を書くコツをご紹介しよう。


 まず、頭の中で4コマ漫画をつくってみる。

 絵心がある人はそのまま4コマ漫画を描くといい。おわり。

 たった4コマのためにキャラデザするのがめんどくせーという人は、引き続きお付き合いいただこう。別に棒人間でもいいと思うケドね。

 頭の中の4コマ漫画のテンポを意識して、文章にアウトプットしていく。

 そしてはみ出してしまった文字数を何とか収まるように調整して、完成だ。

 カンタンでしょ。


 え、何?

 そういうことじゃなくて、ネタの出し方を教えろ?

 そんなん私も知りたいわ。


 まあでも、実は140字小説のネタ出しには裏技がある。

 バグ技じみたものだが、これをマスターすれば140字小説が書けるだけではなく、生き方もだいぶ楽になるはずだ、と思う、んじゃないかな、たぶんきっとメイビー。

 あなたにも今すぐできるテクニックだ。まずは、それを使う。

 それですよ、それ。あなたが今、投稿しようとしているやつ。


 娘とか、

 友達とか、

 酔っぱらったおっさんとか、

 マックでだべってる女子高生とか、

 あなたじゃない誰かが言ったりやったりしたことにしようとしている、

 その嘘松ツイートにハッシュタグをつければ、140字小説になりますよ。

 こんな風にね。



#twnovel 階段を上っていると、目の前で人がよろけた。大丈夫ですかと声をかけると「すみません、まだこの体に慣れていなくて」サイボーグか何かかこの人。ネタにのっかって俺も経験あるけど苦労したよと返すと、その人は真顔で、よく見たら膨らんでるお腹をさすりながら言った。「頭大丈夫ですか?」

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