全滅
NAME:ゴブリン
新スキル:『瞑想』
MP:11/27
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僕は閉じていた目を開ける。2時間ほど前と比べて、より多くのMPが内部を流れているのが実感できる。これが『MPの呼吸』と『魔分の呼吸』を順番に繰り返しやっていたら新しく無料で付与された、無料スキル、『瞑想』スキルの効果か。
「……ふぅ。ここまでが限界だな。……集中力が切れた」
深く息を吐き、その場で脱力する。
集中を解くと、自分の表面からにじみ出ていたオーラのような赤みが、すぅーと消えていくのがわかった。
「2時間ほどで、MPが10も回復している」
1時間で5MPも回復したのか。今までを鑑みて完全回復が12時間かかるとしても、1時間平均の回復量は2MPか3MP。1時間あたり5MP回復で2時間10MP回復ということは、やらないよりも倍程度の効果があったということか。
と言っても、『MP回復速度アップ小』スキルの効果も反映されているため、以前の状況と比較するのは余り意味がなく、『瞑想』単体での効果だけだと気休め程度の微弱なものになってしまうような気がしてならない。
「……『瞑想』スキルはMP回復系スキルだと思っていたが、それ単体のスキルではないのか……?」
『瞑想』スキル使用中は、確かにMPの吸収率も上がっていたはずだ。それはやっていて実感していた。しかし、MP回復だけのスキルではなかったのか?
「……そういえば、気力もやる前と比べて大分回復している気がするな……。やる前は『召喚杖』を持つのもやっとだったのに、瞑想を終えた今では、杖を持つのもにんじんを複数本持つのも苦ではなく、何発かスキルも発動できそうだ」
肩や腕をぐるぐると回してみるが、肩と腕の痛みや疲労感が減退している。
「瞑想は『MP回復微量』と『気力回復』の効果が期待できそうか」
とりあえずそういう位置づけで結論付けた。
「位置と言えば、探索に送り出した3体のスライムは今どこにいる? もう2時間は経つというのに、食料を見つけるどころか、敵モンスターとエンカウントすらしていないのか? 敵を見つけたら我に知らせ直ちに帰還せよと言ったはずなんだが」
僕は3体の居所を探した。
「ん? おかしいな……」
3体のスライムの居所は召喚杖を通して僕の脳に情報として入ってくるはずなのだが、3体の居所と進路マップが途中で途絶えている。
「いや……まさかな……」
僕は分断され別通路を進んでいるはずのマヒスライム2体とガモス2体の居場所を探知する。
そちらは至って正常。誰ひとり欠けず、何度か敵とやりあったのか損傷が感じ取れるが、ちゃんと探知出来ている。
どういうわけだ、いったい……。
「まさか、死んだ……?」
……それなら合点がいく。いや、それ以外考えがつかない。
僕の頭が一瞬真っ白になった。
「ガモス、来い。3体の様子を見に行く! まずは左のやつからだ! ……と、その前に増やしたMPでガモスをもう2体召喚する。ハァーッ、出でよガモス2体!」
ヒューッ、ボボンッ!!!
「モンス!」
「モンスゥ!!」
僕は我に帰ると、最初から決めていた召喚杖のレベル上げの為に、すぐさまガモスを2体召喚した。
だが、まだ召喚杖のレベルは上がらない。
「クソ、まだダメなのか!」
上がったとして、MPが底を尽きた状態では、新モンスターを召喚することも出来ないが。それに、次のモンスターはどれだけMPを消費するのかもわからない。最低でも、ガモス以上のMPは必要になるだろう。
「あとお前らには、これを食ってもらう。非常事態だ、もったいぶっている暇はない。だが、あくまでも様子見だ。まだスライム3体が全滅してしまったと決まったわけではないが、仲間がやられたとしても、冷静をかけば相手の思うツボ。何があろうと、安全第一。その時々の最善手を努めていく。では進め!」
「モンスゥ!」
「モンス!」
僕とガモス3体はスライム3体の状況をそれぞれ確認すべく、まずは左の通路へと進むのだった。
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