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小技


NAME:ゴブリン

LV:13

MP:1/27

スキルポイント:26


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー





ぴょこん、ぴょこん、とスライム共の足音が遠ざかり、やがてその影も隠れて見えなくなった。


「スライム共は行ったか……。……よし、こちらもやるか……」


スライム3体が前、右、左の通路へと分かれて探索に出かけた後、僕はその場に腰を下ろす。付近には、護衛役を任せたガモスが1体、部屋を歩き回り警備を始めた。


「MP回復系の草花をスライムたちが見つけてくれるかどうかが、副題だな。この部屋にはそれらしき草花は見当たらない。あって雑草2、3本というところか……」


僕は念の為部屋の隅をぐるっと一周回ってみるが、やはりそれらしき草花は見当たらなかった。

どかっと再び腰を落ち着ける。


「あとMPを回復する手段だが……睡眠時の方が起きてる時よりも回復速度は早くなるのだろうか?」


これは検証の必要がありそうだ。体感的に早くなっている気はしないが、睡眠時に空気中や地面からの魔分が取り込まれる量が多ければ、必然的にMP回復速度は早くなるということになる。


「要するに、魔分を多く取り込めれば、理論的には早くMPが回復出来るというわけか」


あくまでも仮説だが。実際はどうなのか。分子や微粒子など詳しくないのでわからない。

わかったとして向こうの世界には魔分なんてものなかったしな……。


「まぁいい。とにかくやってみよう」


それから僕は、思いつく限りの様々な検証を試みた。


その中で、お、と思うものがいくつかあった。


1つは、MP神経全集中の呼吸


無心になり身体の内部にあるMPの循環を感じる。そこのみに集中し、意識を高める。するとどういうことか、外部のMPの取り込まれる速度が微量に早く感じた。気がする。


2つは、外部の魔分の呼吸


内部ではなく、外部に浮遊、又は地面に含んでいる魔分を感じる。目に見ることは出来ないが、目を瞑ると『魔』物の第六感が魔分の存在を感じ取ることが出来る。呼吸と同時に、魔分を取り込んでいる。外部の魔分の流れと取り込む呼吸のみに集中し、意識を高める。するとどういうことか、普段よりも多く魔分を取り込めている感覚が掴めた。と思う。


3つは、これが一番事実性が高い


単純に、自分のスキルポイントに備わっているスキル。スキルポイント20を使用して、特殊スキル『MP回復速度アップ小』が付与できる。だがこいつは小中大の3段階に分かれている上に、現在スキルポイント20消費は大きな痛手となる。その分、他の魔法やもしもの時に覚えようと思っていた20ポイント消費の『回復』スキルもしばらく覚えられないということになる。

これを付与すると、26ポイントから20ポイント引かれて残り6ポイント。まぁ、先々のことを考えれば、このスキルもどの道必要となるだろうが、さて。


「やるしかないかー……」


現在、優先度としては『MP回復量』や『回復速度』が頭一個分高い。『回復』スキルも欲しいが、スキルポイント20で覚えたとして消費MP10なのが痛い。どちらにしろMP回復は必須。需要でいっても、これが今一番欲しい。


「仕方がない。こいつを付与する!」


僕はスキルポイント20を消費すると、『MP回復速度アップ小』を付与した。

キラキラと周囲に闇色の粉が舞い、僕はMPを普段よりも多く取り込んでいることを実感する。



「すぅーはぁーすぅーはぁー。おお、これは本物だ!」



僕はこいつと、検証により得た2つの小技をさらにブラッシュアップするべく、神経を集中し呼吸を開始するのだった。




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