鉄錆
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NAME:ゴブリン
LV:13
スキルポイント:14→26
獲得魔法スキル:初級火魔法『ファイア』消費MP5・初級土魔法『ドスケル』消費MP5
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「この長剣の錆びた部分は落とせないのだろうか。どうやって落とすんだ……?」
ホワイトボーン共から奪った『錆びた長剣』は錆がひどく、切れ味がかなり悪い。そのお陰で、切られた部分も軽傷で済んだ。とはいっても、振り下ろす重みで肌が抉られてそれはそれで痛かったが。
「確か召喚杖のスキルに、『鍛冶』スキルがあったよな……」
大分前に召喚杖のスキルポイントで覚えられるスキルを見ていたが、すっかり忘れていた。全然力の入らない手で召喚杖を添えるように手にすると、今一度確認してみる。
スキルポイント10:『鍛冶』スキル
「あった。『鍛冶』スキルは10ポイントか。『料理』スキルや『鑑定』スキルとポイント数は同じなんだな」
今、召喚杖のレベルが2で、付与されているポイントが6のまま。レベルが上っていないので当然っちゃ当然である。多分この召喚杖は戦闘の経験値ではなく、召喚した魔物の数か、召喚した魔物のレベルなどを総括して、レベルが上がる仕組みなのではないかと思う。なので、召喚杖のレベルを上げたければ、魔物を召喚しまくるほかない。
「現在、僕の残りMPは9。全回復するには、半日はかかりそうだ。どうするか……」
MPを使ってしまうか、もしもの為に取っておくか……。
「よし、使うか」
使ってしまったほうがいいだろう。何にせよ、召喚杖のレベル上げは目下の課題だ。早めにLV:3に上げたい。階層が進むごとに敵は手強くなる。リスクを気にしてMPをケチっている場合ではない。
それに考えてみたが、アイテムをしまう場所もなく、持つことも出来ないなら、魔物を召喚して持たせればいい。こんな簡単なことに気づかなかったとはな。
「残りMP9だと、MP5を消費するガモスはギリギリ2体召喚できない。MPが自然回復するまでもう少し待つか、スライムで我慢するか。……いや、ここは強さよりも数が欲しい。ガモス1体と、スライム3体にしておこう。MP全消費は倦怠感がヤバいから寝る前以外は止めておく」
僕はMPを1残し、ガモス1体とスライム3体を召喚した。
「モンス」
「プル」
「おお、懐かしい……」
懐かしのメンツを感じた。
「『錆びた長剣』は重いし、持つ手もないから、こいつらには持たせられない。仕方がないが、錆びた長剣5本はここに置いていくか。機会があればまた取りに来るとしよう」
僕はそう決め、ガモス1体とスライム3体に平均2本のにんじんを持たせた。ガモスだけ3本。
「もう今日は仲間との再開は難しいだろう。マヒスライムとガモスたちは僕を探しながら第2階層のマップを作ってくれているが、敵が多いのか、同じ場所を行ったり来たりして探索範囲が狭い」
「今日中に第1階層に戻るのは無理だな……。今日は、第2階層で野宿になるだろう」
まぁ、もともと効率よく最下層へ行くのが目的だったし、このまま1階層には戻らずに第3階層を目指すのも有りっちゃ有りだが。1階層にいちいち戻っていたら、準備や身体の状態は整えられるが、それだけ効率は悪くなる。
「そういえば、残してきたスライムはどうしてるかな。まだ訓練やってるのだろうか。多分やってるだろうな……」
ずっと訓練をやらせているのも、申し訳なく思ってくる。第1階層のスライムたちに訓練中止の指示を送ることも出来るが、中止するのもな、という気もする。できれば早めに強くなってもらいたいし。それに、休みたかったら勝手に休むだろう。そう考え、何の指示も送らないことにした。
「だが、なんか様子がおかしいな……。今朝と比べて、大分数が……いや、まぁいいか……」
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