表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/33

第1階層大ボス:キングデスラビット


NEW

NAME:ゴブリン

LV:4→LV:7

新スキル:『ゴツゴツけん


NAME:スライム

LV:3→LV:5

LV:4→LV:6

新スキル:『分裂』


NAME:マヒスライム

LV:2→LV:5

新スキル:『分裂』


NAME:ガモス(幼体)

LV:2→LV:5

固有スキル進化:『毒耐性』→『猛毒耐性』


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


「えーっと、次がダンジョンから最も奥まった場所にある3つ目のマップの穴で、これで穴埋めは全部か。

ということは、つまりまだ回ってないそこに2階層への入り口があるはずだ。

なんだかんだで、最後まで回ることになってしまったな」


途中で2階層への入り口が見つかったとしても、一応マップの穴は全部埋めるつもりだったが。


「ふー、第2地点からけっこう歩いたな。そろそろこの付近に最後の敵が現れても良さそうだが」


僕はスライム7体とマヒスライム2体、それからガモス2体を連れて歩いていた。

スライム1体は負傷してしまったため、大事を取って第2地点に置いてきた。

捕食させることも出来たが、マヒスライムでもなく、死んでしまうわけでもなかったので、あえてしなかった。


そうこう考えてるうちに、第3地点へと到着する。

開けた大部屋に、それはあった。


ダンジョン:第2階層への入り口


先が暗闇に包まれた、他の通路とは違う下へと向かう階段が備え付けられ、部屋の奥の壁側から、下へと行けるようになっていた。


だが、その前にそびえ立つ、見過ごせない巨大な影。

先程の巨大なデスラビットよりも、さらに二周り程も大きな体格。

その体躯は通常のデスラビットとは比べ物にならないほど筋骨隆々で、外見も通常のデスラビットとは異なり、長い耳の先端は二又に分かれ、むき出しの牙はより長く鋭く、『デス』の名に相応しい、いっそう恐怖に満ち満ちた面相をしていた。

鼻息もさらに荒い。


NAME:キングデスラビット

LV:17


レベルが先程のデスラビットより6も高い。別格だ。だが、こちらも先程よりレベルは上がっている。さっきの感覚と同じように戦えば、まだ勝機はあるかもしれないが、周りにまとっている敵を寄せ付けないオーラがあからさまに感じ取れる。『隠密』スキルで奇襲をしかけようにも、その前に気づかれて反撃されてしまいそうだ。ややもすると、敵も『危機察知』スキルを持っているのかもしれない。

『鑑定』スキルを持っていないため、ステータスを見れないのが惜しい。


「どうする……第2階層への入り口はすぐ目の前。こうして目で見て確認できただけでも収穫。きっとこのキングデスラビットは1階層の大ボスに違いない。2階層への入り口を守るようにこの部屋にいるのがその証拠。こいつを倒さなければ、僕たちは2階層へは行けない」


2階層へ進むためにはキングデスラビットを倒すのが絶対条件のようだ。キングデスラビットに気づかれずに階段まで行くのは難しい。また、危険を承知でキングデスラビットの攻撃を掻い潜り2階層へ行けたとして、2階層にはもっと強い魔物がいる可能性が高い。

どちらにせよ、この大ボスを倒すことはダンジョン最下層を目指す上で、レベルを上げるためにも必須条件だ。


「安全を喫してレベル上げしてから挑むのもいいが、第1地点で見逃したデスラビットを探すのにも時間がかかる。よし決めた。ここでキングデスラビットを討伐する! 第1階層最後の戦闘だ!」


僕がダンジョンマスターの立場としてなら、ここでキングデスラビットを倒すわけにはいかない。キングデスラビットには、第1階層のボスとして冒険者共から2階層へ行かせないための守護を任せたい。

だが、今は何を置いても先に最下層にたどり着かなければ話にならないし、レベル上げをしなければ更なる強敵を倒せない。

仕方ないが、キングデスラビットには死んでもらう。

さっきもそうだが、僕の考え方が死に対して蛋白で残酷になっている気がする。魔物になってからもともとそれは思っていたが、スライムたちの抵抗で一気に自覚した形だ。そもそも、ここは僕のダンジョン。デスラビットだって、言うことは聞かないが、仲間といえば仲間だ。共にダンジョンを守るものとして。しかし、今はそんなことを言っている時じゃない。とにかく僕は最下層に行き、真の意味でダンジョンマスターとして働かなければならないのだ。それが女悪魔に施された従属の『契約』であり、ザコゴブリンと言えど僕が転生された使命なのだから。


「スライム共、いいか! 今度は躊躇するなよ! ためらいは命取りだ! 我が身大事と知れ!」


僕は先程からずっとぎこちないスライムたちに対して発破をかける。


「それと、さっきは怒鳴ったりしてすまなかったな。指導者として失格だ。お前らの力が必要だ。今も、そしてこれからもだ。だから絶対に死ぬな!」


「ぷるるー」

「ぶるりん」

「ぶるりー」


次第にスライムたちに覇気が戻ってくる。ようやく元に戻ってくれたようだ。これで心置きなく戦える。


「では行くぞ! 作戦はこうだ。まずスライム共が周囲に分散し、囮になる。あくまでも囮だ。適切な距離を保て。次にマヒスライム。動きやすい場所を確保し、チャンスをうかがえ。敵が背中を見せたら迷わず突っ込め! スライム共はマヒスライムを援護、サポートしろ! 最後にガモス! 敵がマヒするまで絶対に何もするな! 敵がマヒし動けなくなった瞬間を狙い『毒突き』スキルで毒を付与し弱らせろ! その後、一斉に総叩きでケリをつける! 以上だ、なにか異論は?」


仲間モンスターたちは空高く飛び跳ねる。合意の合図だろう。


「ではスライム共から、行動開始だ!」







ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ