隠密
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NAME:スライム(うち一体)
LV:4
攻撃力:12
守備力:13
素早さ:14
運:4
スキル:『増殖』『粘液』『捕食』『隠密』
NAME:マヒスライム(うち一体)
LV:2
攻撃力:8
守備力:8
素早さ:9
運:2
スキル:『隠密』『増殖』『粘液』『捕食』
固有スキル:『マヒ耐性』『マヒ付与』
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スライムとガモスを引き連れて第一地点の敵モンスター討伐に向かっている途中。
僕がスライムのステータスを確認すると、いつの間にか『隠密』スキルが付与されていることを発見した。
特にスライムが探索でレベルアップしたというわけでもない。なのに、なぜだろうか?
「ゴブリンの僕でさえ、まだ『隠密』スキルは獲得していないと言うのに……」
『隠密』スキルとは、多分、敵に見つかりにくくなるスキルだろう……。
ということは、探索の中で敵を回避しているうちに、ステータスには表示されていない回避ポイントが上がり、無意識の内に『隠密』スキルを獲得してしまったのだろうか?
「スライムつえー」
スライムは世間一般に最弱モンスターと認識されているが、その一方、適応力や対応力次第では最強になり得る力を秘めているのではないかとすら思ってしまう。
マヒスライムしかり。
もしかすると、ガモスの毒を死なない程度に浴びれば、突然変異で毒スライムも完成してしまうんじゃないか?
あり得る話だ。
「くそ、スライムが最強なら、下から2番目くらいにザコ認知されてるゴブリンは、ビリッケツじゃねーか」
僕はスライム共を尻目に、毒を吐いた。攻撃力皆無の毒。
ダンジョンを進むと、次第に第一地点の敵モンスターのいる場所へと近づいてきた。
全体マップの穴はこの辺りである。
僕は『危機察知』スキルで敵が近くにいないかどうか詮索する。
「前と同じだな。またいないか。分岐したどちらかの部屋に移動したかもしれない」
それなら当然、マップが完成していない右側へ、僕たちは進んだ。
細い通路を進むと、再び部屋が開ける。
「……ここは、さっきの場所だな」
先程通った部屋へと出てしまった。どうやらあの通路はここに繋がっていたらしい。
この穴は段差があり、こちらからの通路を通った形跡はない。どうやらスライムはこの通路を見落としていたらしい。
「ふーむ。そういうことか……」
敵モンスターとエンカウントすることなく、1つ目の穴は埋まってしまった。
もしかすると、敵モンスターは僕たちの通った右側ではなく、左側の通路を通って移動してしまったのかもしれない。
「仕方ない、気を取り直して、2番めの穴埋めに行くか」
僕はスライム共とガモス共を引き連れて、再び2番めの穴埋めに向けて歩き出した。