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準備

NEW

NAME:ゴブリン

LV:4

特殊スキル:ダンジョンの加護(ダンジョンマスター専用)

仲間全員のHPとMPを全回復する。一度使用すると消えてしまう。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


ダンジョンちゃんと名乗る少女に出会い、僕はダンジョンちゃんに特殊スキル『ダンジョンの加護』を授かった。

ダンジョンちゃんはこのダンジョンを守るためだけに召喚された魔物らしく、全5階層あるうちの最下層でダンジョンマスターを待っているらしかった。寂しいから、スキルを使って1階層にいる僕に会いに来てしまったらしい。


なんでも、新しいダンジョンマスターが現れるまで最下層で1人(魔物)でダンジョンを守り続けていたらしく、魔物はいただろうが、会話は出来なかったのか、さぞ寂しかったのだろう。そりゃ僕だって同じ境遇にいたら、寂しい。

新しいダンジョンマスターを待っていた、ということは、以前、このダンジョンを支配していたダンジョンマスターがいたのではないだろうか。だが、当時のダンジョンマスターは現在ここには存在していない。攻略されてしまったのか、自ら権利を手放したのかはわからないが、少なくともここの権利を失っている。だからこそ、僕が新しくダンジョンマスターになれたのだろう。


そして今。

ダンジョンちゃんの幻影は消え、それと時を同じくして、帰路を辿っていた一番近場のスライムたちがぷるぷると飛び跳ねながら戻ってきた。そこから、ぞくぞくと探索に出ていたスライムたちが戻ってくる。その数、ざっと26体。探索に出かけてから、さらに8体増えている。

これでスライムが22体、マヒスライムが4体、計26体となった。


「……スライムの『増殖』スキルには、限界はないのだろうか?」


その点については後々調べてみる必要が有りそうだが、兎にも角にも、戦力は着々と整ってきているように思えた。


小休憩を挟んだ後、次の指示を待つスライムたちに向かって、僕は口を開いた。


「よーし、みんな聞けー! お前たちのおかげで、1階層の全体マップは完成間近だ! 残すは、デスラビットを含む複数体いる敵モンスター付近の探索のみ! だが、敵モンスターがいるせいで、2階層への入り口も見つからず、マップも未完成のまま。これではいけない。ならどうする? 答えは出ているな。マップ完成を邪魔する敵モンスターを、一匹残らず殲滅する! わかったか!?」


「「「ぷるぷるー!」」」

「モンスッ!」「モンスッ!」


僕が大声で叫ぶと、スライム共とガモスは大きく頷くように唸りながら飛び跳ねた。


「よーし、わかったら細かい説明はなしだ! さっそく、総員総出で、敵モンスターの殲滅に向かう! ……と言いたいところだったが、ちょっと待て! ……うーむ、よく考えてみたら、こんなにスライムはいるだろうか? ガモスは2体必要としても、これだけスライムがいたら、敵を取り囲んだとしても、逆に反撃された際に被害が大きくなる恐れがある。できれば被害は最小限に抑えたい。……よし、わかった。これより、殲滅班と、待機班を分けることとする!」


数は多いほうがいい、とずっと思っていたが、数が数だけに、増えてくればそれだけ抵抗された時のリスクはデカくなる。途中までは数は多いほうが良かったが、ここまで増えれば、出来るだけもしものリスクの為にモンスターを一定数温存しておきたい。

いくら召喚杖があるとは言え、全滅してまた1から、なんてことになれば、再び戦力を整える時間もバカにならない。いつ冒険者がダンジョン攻略に立ち入るかもわからないのに、そんな悠長なことは言っていられない。


「よし、ではまず、殲滅班は、レベル2とレベル1のマヒスライム2体! それと、レベル3以上のスライム8体! そして最後に、レベル2のガモス2体の計12体で行く! レベル1とレベル2のスライム、それから、増殖したばかりのマヒスライム2体は、まだ弱いので待機班として、ここに置いていく!」


「「「ぷるるー……」」」


待機班が不貞腐れ気味に返事をする。

魔物の血が騒いでいたのにも関わらず、待機させられてしまうのだ。無理もない。

なので、僕は考えた。


「だが、レベル1とレベル2のスライムは何もせずに待っている、というわけにもいくまい。待機班には、我らが殲滅に向かっている間、『訓練』を行ってもらう! 訓練とは、すなわち相手を殺さない程度に、戦うことだ! お互いに高め合うことで、我らはさらに強くなることが出来る! ……たぶん笑 訓練をすれば、少なからず、経験値が積めるに違いない! よって、レベル1とレベル2のスライム共には、訓練を課す! 寝言とサボりは許さん! いいか! 召喚主である我は、お前らに期待しているのだ! ぜひとも、その期待に応えてくれると、信じている!」



「それでは、互いに健闘を祈る!!」




「「「「「ぷるぷるー!!!!!」」」」」

「モンスッ!」「モンスッ!」




僕が吠えると、スライム共とガモスが咆哮を上げ、士気が高まった。


「よおし、それでは、最後の狩りに出発だ!!」


僕は選出したモンスターたちを引き連れると、まず一番近い敵モンスターのいる地点へと向かった。



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