選択
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NAME:召喚杖
LV:1→2
スキルポイント:3→6
形式:選択
スキル:『魔物召喚』『召喚力増大』
召喚可能モンスター:スライム・???
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翌朝、僕が目を覚ますと、スライムの数がさらに18体に増えていた。
「昨日、8体召喚したから、もともといた5体と合わせると計13体。多分、残りの5体はもともといたスライムが僕の寝ている間に『増殖』スキルを発動したのだろう」
ということで、これでスライムが16体(うちチビスライム4体)と、マヒスライムが2体(うちチビマヒスライム1体)になったというわけか。
「バキゴキボキ……痛ってー。昨日の戦闘で全身筋肉痛だ。……それにしても、大分増えたなー。増殖したチビスライムのLVは、1~3でバラバラなんだな。チビマヒスライムはLV1か」
昨日スライムが増殖した時はそこまで気にしていなかったが、スキル発動後の分裂したスライムのLVはランダム性が高く、親元のLVがそのまま引き継がれるわけではないようだった。
「なるほどな……さてと」
僕は昨日寝る前にちらっとだけ見た召喚杖のステータスを確認する。
新しく『召喚力増大』スキルが付与されており、召喚可能モンスターの項目が一つ増えていた。
『召喚力増大』はスキルポイント確認時にちらっと見えていたが、こっちは見逃していた。
どうやらいくつか召喚可能モンスターがいて、その中から1体だけ選択出来るようだ。
「ふーん、今のレベルだと1体しか増やせないのか」
僕は、3体の情報を表示させる。
1、ゴブリン
2、デススパイダー
3、ガモス
「へー」
……名前だけか。
スライムの時もそうだったが、モンスターに対しては全く説明がないんだよな。スキルなんかは想像か、実際に披露してくれないとわからない。そこに関してだけは、不便と言わざるを得ない。
「さて、どいつにするか……」
僕は考える。
取り敢えず、1はなしだな。理由は割愛する。ヒント:僕がゴブリンだから。
次に、2。デススパイダー。こいつは、デスとついているからには、デスラビットと同系統のモンスターに違いない。察するに、凶暴性が高く、デスラビットよろしく恐怖を象ったような顔をしているのだろう。その代わり、通常の蜘蛛とは比べ物にならない程デカく、それなりに強力な魔物という感じではないだろうか。また、スキルは『糸』を使った技で、相手の身動きを止めることを得意とするモンスターといった感じだろう。
これは、保留だな。
最後に、3。ガモス。ガモスか……聞いたことない名前だな。想像がつかない。植物系のような気もするし、動物系のような気もするし、昆虫系のような気もする。植物系なら、人食い花。動物系なら、ライオンの子供のような魔物。昆虫系なら、蛾のデカイ版と予想。できればデカイ蛾はグロテスクなので御免被りたいが……。
これも保留にしておこう。
「よし、2択まで絞ったな。さあ、どっちにするか」
こういう時は、現状どのようなタイプが欲しいのか考えながら決めるといいのだろう。
足止めや攻撃特化ならデススパイダー。
未確定要素多めだが冒険して選ぶならガモス。
「デススパイダーは、確かに強そうだが、この階層には、すでに同系統のデスラビットがいるんだよな……」
もしも今後デスラビットが使役出来るようになる可能性があるとしたら、今デススパイダーを選ぶ必要はないようにも思える。足止めは魅力的だが、足止め要因ならマヒスライムもいるしな。繁殖力ならマヒスライムに軍配が上がる。
「逆に、ガモスはそもそもどんなタイプで、何が得意で、何が使えるのか全く未知数だ。生きるか死ぬかの世界で、ギャンブル性の高い勝負をこんなところでしていいのかと思う部分もある」
仮に、ガモスがまったく使えないモンスターだとしたら、というより、まったく使えないモンスターなど召喚魔物にいるのだろうか。それは流石にないんじゃないかと思いたいが。
「うーん……いつまで考えていてもキリがない。ここはもう、直感で決めるしかないな」
「よーし、ガモスに決定!!」
最後はノリで決めた。
それと、やはり気になったというのもある。
未知のモノやガチャ要素のあるモノは、試してみたくなってしまうのが、ゴブリンのサガ。
僕はさっそくMP5を使用して、ガモスを召喚した。
「ハァーッ! いでよ、ガモスッ!!!」
ダンジョン内の床に杖の先端で円を描き、勾玉に魔力を集中させる。
核となる小さな玉が1つ虚空から出現し、それは高速回転しながら密度を増していった。
そして。
シューッ、ボンッ!!!
「おー、出た」
初めて見る新しい4足歩行の魔物が生成された。
4足歩行の、虫。
4足歩行の、スライムサイズのちっちゃなバッタみたいな緑色の虫。
「モンスッ! モンスッ!」
「ああー……」
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