日常
日常ですね。
あの異世界召喚から光は高2になっていた。いつもと変わらない日常がここまでいいとは思ってなかった。これも異世界召喚されなければ感じられなかったことだ。
「もう、朝か……。」
光は高2になった。年齢としては高3だが、異世界召喚されて戻って来てから1年が経過していた。
ちなみに両親は単身赴任をしていて現在は1人暮らしをしている。
「さてと、ご飯食べて学校行くか。」
光をご飯を食べた後、制服に着替える。ふと、鏡を見つめる。
「本当に目に見えないし、触れも出来ない。本当に今も奴隷首輪をしているだよな……。」
異世界から戻る時に女神に逢っている。その際に謝罪と戻る際に戻った時に色々困るので元の世界の今の状況を教えてもらっている。奴隷首輪は女神でも取れない為に透明にして見えなくしている。今は魔王が近くにいないから普通の生活を送るには問題ない。
「さて、学校に行くか……。」
光は家を出て学校に向かう。その途中後ろから声がする。
「おーい!ヒーカールー!!」
「なんだ……。佐織かよ…。」
「なによ!その態度は!!見かけたから一緒に行こうと思ったのに!」
幼なじみの女の子は不服そうに訴える。更にその後ろから声が飛んでくる。
「おはようございます!光さん!」
「おはよう!相変わらず2人は仲は良いな!」
「あっ、おはようございます!ヒルナさん!それに良樹も朝から元気だな!」
「光!ちょっと2人態度が違わない!?」
光達4人は今は近くの同じ学校に通っている。登校時間もだいたい同じの為に一緒学校に行っている。
「別に違わないくないだろ。佐織に対していつもこうだろ?」
「それがいけないの!」
佐織は声を荒らげる。それを華麗にスルーしてヒルナに話しかける。
「それよりもヒルナさんはだいぶこっちの生活に慣れましたね。」
「ちょっ、スルーしないでよ!」
「ふふふ。はい、おかげ様で本当に慣れました。」
この世界に戻って来た際に結構大騒動になったが、色々な人達のおかげで今は平穏な生活を送れている。特にヒルナのことについては本当に助かっている。今は佐織と一緒に暮らしている。
「光や佐織、俺なんかも最初に異世界に来た時は色々びっくりしたし、生活も色々違ったから大変だったよなー」
「確かにそうですね。私も最初は色々違いすぎて戸惑いました。それにお父様と離れたばかりだったので……。」
ヒルナがこの世界に来た時は周りの風景や生活が違いすぎて苦労していた。佐織の話だと夜は毎日泣いていたと聞いている。光達はまだ3人で異世界に来てから良かったがヒルナは自分の知らない場所に1人で来たのだ。不安にならないわけがない。光と良樹はヒルナの事が心配で毎日逢いに行ってこの世界の事を色々話をした。それが良かったのかヒルナは徐々に元気になっていった。
「本当に元気になって良かったです!」
「はい!今ではこっちの世界の事を色々知れて良かったと思っています!」
「本当にね!今や光や良樹より頭いいからね?」
「「うっ、」」
けして光や良樹が頭が悪い訳ではない。ただ、ヒルナが頭がかなりいいのだ。今や学年でも上位にいくくらいに頭がいい。ちなみに佐織はこうみえても頭が良くて同じように上位にいる。
「ところでヒルナさんはこの間告白されたって聞いたけど本当?」
「あっ、えっ?は、はい!う、嬉しかったですけど断りました。」
「やっぱりモテるよな……。」
「そんなことないですよ。」
良樹の呟きに遠慮ぎみに答える。
「はいはい!私もこの間告白されました!」
「良かったですね。ヒルナさんはどうして断ったですか?」
「ちょっと、私の話も深堀しなさいよ!」
佐織も実際に告白されたみたいだが前に今は部活を優先したいから恋愛はしないと聞いている。ヒルナに関しては部活もしてないし、今は王女と言う立場も関係ないから普通に恋愛をしてもいいはずだ。告白された相手は高3の先輩でカッコいいと聞いている。年齢的には一緒だ。
「実は……わ、私にはす、す、好きな人がいるです。」
「そ、そうなんですね。」
光はちょっとだけ、ショックを受ける。別に恋愛対象には見てはいないが仲の良い女子の好きな人がいる発言は聞きたくない。
「「……。」」
「んっ?佐織に良樹、どうした?」
「……鈍感よね。」
「……鈍感だな。」
「……んっ??」
2人の鈍感発言に首をかしげる。そんな登校の時間はすぎて校門まえにたどり着く。
「はぁ、また学校が始まるのか。」
「ため息つかないの!」
そして4人が校門に足を踏み入れたその時だった。強烈な光が包み込む。この光はあの時と同じだ。異世界召喚された時みたいに……。
僕の世界の吸血姫と異世界の吸血姫の出逢いもよろしくお願いいたしますm(__)m