1ヶ月
俺は数字の意味をここでやっと理解した。
すぐに自分の記憶を思い返す。確か俺の親父は4000ほど… あと10年…。母さんは8760... 20年ほどか…。
幸い両親の数字は大きく、複雑な気持ちだったがとりあえずは安心することが出来た。
そして俺は友の数字を思い出した。
31。
コウの頭の上に浮かんでいた数字。
ってことは、コウは31日後に…!
絶望だった。10年も一緒に過ごしてきた親友が、あと1ヶ月しか…
その前に、俺にこんな能力をさずけた奴は誰なんだ。誰が何のために。俺はこんな能力望んでねぇ
よ。
嘆くだけ無駄な事は分かっている。思いあたりがないのだから。
その日の夜は寝ることができなかった。
次の日、俺は学校へ行くのが怖かった。しかし休みたい理由なんて他人には告げられない。しぶしぶ学校へと向かい、教室へ入った。
嫌でも視界に入ってくる数の羅列。俺は真っ先にコウの元へ向かった。頭の上の数字は30に変わっていた。
「な、なぁ…」「なんだよ、ショウ」
「お前、生まれ持った病気とかあるか…?」「いや、ないけど」「最近大怪我したとか…」「いや全く。いたって俺は、健康だぜ」
不思議そうな顔で俺を見つめるコウ。
「なんかあったのか? さっきから顔こわいぞお前」
そうだよ。ありえないことが今起きているんだ、と伝えられるならどんなに良かっただろうか。俺がもしそのことを話したとしても、きっと流されるだろうし、それにこいつの余命のことなんて… 俺には話せない。
「いや、何も無い。最近寝不足なだけだ。」「そうか。」
その日の放課後、俺はコウと帰ることにした。
帰り道、俺達はいつもの丘へ向かった。
丘で寝転がって、俺達は空を仰いだ。
「なぁ、コウ」「どうした」
「運命、って信じるか」「なんだよそれ」
「俺らがどんな選択をして、いつ死ぬかとか、そういったものすべて神によって決められている、ってことさ」「うーん…」
数秒の間の後、友は答えた。
「正直よく分かんねえけど、いつ死ぬかなんて誰にも分からないから、それまで精一杯楽しく生きるだけだな」
お前らしい答えだな、コウ。でも一つだけ違うことがある。俺にはお前がいつ死ぬのかこの目ではっきりと見えることだ。
その後、俺達は別れを告げ、俺は家に帰った。
友と話すことで少し心を落ち着かせることが出来たが、まだ何も解決していない。ずうっと頭を使っていたので、部屋で横になった瞬間眠りについてしまった。こうして俺の1日が終わった。




