49
49。何度も頭の中で連呼した。こんな元気なやつが…あと49日で…?
知り合って間もない彼女を俺は心配していた。やっぱりいろいろと聞くべきだ。俺は改めてそう思った。
しばらくして俺は退院した。あの古びた病棟、独特の匂い、爺と婆の世間話など嫌なものが漂う場所だったので嬉しかった。
学校にも再び通うことになり、心配してくれていた友達や先生にも再会した。
しかし俺は退院後もその病院へ足を運んでいた。それはあの謎多きミツキという少女と話をするためだった。
何回か病院を訪れミツキと話していると、俺達は互いに打ち解け合うようになっていた。彼女と俺の性格は正反対なのだが、どうやら相性がいいらしい。
俺はいろんなことを話した。ほとんどがたわいもない話で正直話す意味のないようなこともあった。
ふと俺は彼女に聞いた。「お前はまだ退院しないのか?」「まだ怪我治ってなくてもう少しかかりそうだなー。」「そうか。」「それと、私の名前はミツキって何回も言ってるじゃん!」「すまん。」「次からはちゃんと呼んでね!」怒っているのか笑っているのかよくわからない表情で彼女は言った。
怪我…そんなに大したこともなさそうだ。じゃあこいつが万が一死ぬのだとしたら、病気以外なのか…
嫌なイメージが頭をよぎる。あの日…トラック…
コウ…。
「…ちょっとどうしたの?」「え?」「なんでそんな怖い顔してるの…?」
「何でもない。」
嘘をつくことにはいつまでたっても慣れない。どうせ俺が考えてることなんて、他の奴らからするとただのオカルト好きの妄想だからな。
「今日は帰る。」「えーもっと話そうよー」「また来るから。」
彼女の顔も見ずに俺は病室を出た。




