第八十八話「社会科見学とミステイク。」
こんばんわ!
那祢です。
この間、一週間どんだけ読まれているか確認しました。
なんと平均三百人いたことに驚きです。
嬉しいような恥ずかしいような。
まあ最初は三十人ぐらいでしたし。
まあそれは後として社会科見学の回です。
どうなるのか?
またあとがきで。
そして僕らの社会科見学がはじまった。
大都市のドワーフ大鍛冶屋の見学。
僕らの学校から約半日の場所にある都市。
名前はジルクブーム。
そう、アルムファイムとクロエの実家がある場所だ。
・・・・・・・・・
僕の実家もあるようだけど帰りたくないので無視をすることに。
だって・・・・・
中身違うし家の記憶ほとんど無いし兄たちが頑張っているはずだし。
うん!
あと、邪魔しちゃいけないしな!
そう言い聞かせることにした。
まず、この社会科見学。
学校の行事で一泊二日の予定。
一日目は移動とプールで遊ぶことになっている。
鍛冶屋の見学はって?
いえ、理由があるんです!
ドワーフの鍛冶って朝一番に行う方多いそうだ。
理由は簡単!
夜だと五月蝿いからだ。
ドワーフは鉄や銀、銅などよく叩く。
頑丈にするためには合金加工などもしなければいけない。
そのため夜、一斉に作業を始めれば近所迷惑は間違いないだろう。
いくら防音にした所でもあの甲高い音は漏れてしまうのだ。
そのため朝七時ぐらいから始めるらしい。
合金の作り方。
とても楽しみだ。
「なにニヤニヤしてるんだ!気持ち悪いな!」
馬車が一緒の女性が僕に罵声を浴びさせる。
「まあまあ、少しの間ではないですか。メドサ。」
顔をあげるとそこにはアルムファイムとメドサがいた。
違うクラスのため社会科見学が別のはず。
何故いるのか。
「か、勘違いするな!私たちは実家に帰るために乗ったのだ!ぐ、偶然一緒だっただけだ!」
顔を赤くして怒るメドサ。
それに対し僕たちを見てニヨニヨ笑っているアルムファイム。
あー。
これ、アルムファイムがメドサをはめたな。
計ったな!
アルムファイムさんめー!
そう思ってると・・・・・
「にゃー。にゃー。」
横にいるキサラギが僕の膝を枕に横になる。
彼女は馬車に乗車するとき猫の姿に戻った。
「にゃーん。」
そのため軽いので気にならない。
むしろ膝の上の猫なので・・・・・撫でたい!
その光景に
「「「なっ!?」」」
数名の女子が一瞬こちらを向く。
「キサラギ、だらしないぞっ!が、学校の行事なのだからしっかり座るのだっ!」
まず、一番最初に声をあげたのはメドサだった。
メモを最近確認したら好意があるとなっていた。
だから少しぐらいは気にしてくれたんだろう。
「確かにそこは椅子ではありませんね。人化して座った方が宜しいのでは?」
追撃にアルムファイムが言う。
彼女の情報はメモで確認しないよう言われている。
自分は駄目でお付きは調べて良いなんて。
なんてお嬢様だ!
「まあ、なんて美味しそ・・・・もとい愉しそうですわね!私も膝に乗って良いですか?」
ファルスティーナ。
お前はフォローしなさいよ。
・・・・・・・・・・
無理か!
姉のセオンだったらしてくれかも!
クラスが違うからいないか!
「そ、そんなところに乗ってると妊娠してしまう!はやくはなれるのだ!」
酷い。
行為もしてないのに妊娠するって・・・・
メドサさん。
僕だって傷つくんですよ?
「やはり私が退かして・・・・・」
メドサが手を伸ばしてきた。
その時だった。
「シャー!!」
ー ガリッ! ー
「痛っ!」
メドサの手が爪で傷つく!
キサラギの引っ掻きが炸裂した。
「き、キサラギさん!何してるんですの!」
「メドサさん。回復魔法使いますから手を!」
アルムファイムがその光景を見て怒りだしファルスティーナはメドサの手の傷を回復させる。
僕も少しやり過ぎなのでキサラギを注意することにした。
「キサラギ、変身して触られたくないのはわかるけど思いっきり引っ掻くのはやり過ぎたよ!メドサに謝らないと!」
「にゃー。」
「魔法で回復できるからって・・・・・・あれ?」
僕は違和感を感じた。
何だろう?
僕は膝の上のキサラギを持ち上げることに・・・・・
持ち上げる姿はまさに猫○ラ・・・・・
「・・・・・あっ!!!」
僕は持ち上げているキサラギを見て大きい声をあげてしまった。
馬車に乗っている全員が僕を見る。
「ライローグ、何かあったの?」
怪訝そうな顔をして聞いてくるファルスティーナ。
「キサラギをさんの持ち方、少し雑ではなくて?」
何故か持ち方を注意するアルムファイム。
「やはりお前はレディーの扱いが酷い。」
メドサに指摘された。
でも声、あげるよ?
だって・・・・
僕は抱えていたキサラギを皆に見せる。
それを見て皆は僕が何に驚いたか理解した。
そう、この猫は・・・・・・
「「「キサラギじゃない!!?」」」
雄猫だったからだ。
そのころ学校では
「皆どこにゃー!」
キサラギは一人校庭をうろうろしていた。
朝並んでいたたくさんの馬車の姿が何処にもない。
登校したキサラギはお腹が痛くなりトイレに直行した。
その間に賑わいが気になった猫が参入。
偶然に点呼で猫がキサラギの名前で
「にゃー。」
と鳴き確認される。
そして一緒に馬車へ・・・・・・
「ねぇ。さみしいにゃ・・・・」
校庭でへたりこむキサラギ。
誰もいない校庭。
「社会科見学、ライローグと行きたかったにゃ・・・・・・ひっく。」
涙が流れる。
キサラギはライローグは種族が妖怪のため親同士の交流で良く会っていた。
まさに幼馴染みだ。
キサラギはライローグの事が昔から好きだった。
エッチな嫌がらせをされたり回りの女の子にしたり。
いつも一緒にいた。
しかし、学園に入学するとクラスが別れ一緒にいる機会は減ってしまった。
ライローグの悪評もよく聞くようにも。
そして二年。
ようやく私にチャンスが訪れた。
一緒のクラスになったからだ。
ただ嫌われ者の彼。
人気のある私が会話するのは結構辛い。
でも、会えば憎まれ口だが会話ができる。
それが嬉しかった。
最近評価が変わりクラスの人たちもライローグを見直してきている。
そんなキサラギは少し焦っていた。
何故ならライローグに女性の影が多いからだ。
とられたくないキサラギ。
キサラギはこの社会科見学でライローグと親密な仲になりアバンチュールな学園生活を送ろう。
他の女子たちより一歩前に・・・・
そう考えていたのに。
「ふえーんっ!なんでおいてくにゃーん!!ふえーんっ!」
涙が止まらない。
大粒の涙がこぼれ落ちる。
そんな時だ。
ー ポンっ! ー
誰かが肩に手をおく。
キサラギが振り替えるとそこには
「泣くんじゃない。」
ぬらりひょんがいた。
妖怪の世界では滅多に会えないぬらりひょんさま。
キサラギは驚き泣き止む。
「にゅ、にゅらりひょんざま!」
鼻水がつまったのか名前がうまく呼べない。
ぬらりひょんさまはそんな私の鼻をティッシュペーパーでかむ。
「どうせ馬車に乗り遅れたんじゃろ?」
「ふぁい。うっ。」
「泣くな泣くな!」
「だって・・・・」
涙が込み上げる。
そんな私にぬらりひょんさまは
「泣き止め。そしつ荷物もてっ。今回は特別じゃぞ。」
「にゃごっ!」
泣いてる私に荷物を投げる。
かなり重いので変な声が出てしまった。
ぬらりひょんさまは何かを唱える。
すると・・・・・
大きな穴ができた。
人一人分ぐらい。
そして・・・・
「入れ。目的地に設定してある。あと好きなやつに会いたいんじゃろ?ならば泣き顔はそいつの前だけにしなさい。」
私を立ち上がらせるとぬらりひょんさまは私の背中を押した。
そして私はその穴に飲み込まれる。
「バカ狐を頼んだぞ。子猫。」
ぬらりひょんさまの声が微かに聞こえた。
そんな気がした。
ライローグたちが乗った馬車が到着した時、キサラギが一番に迎えに出た。
違う猫と間違えたことに驚くのはしばらくたった時だった。
キサラギは模様が違うと怒っていたんでしょうか?
それとも?
次回も社会科見学の・・・・・・回です。
またよろしくお願いします。
那祢でした。




