マリアン物語中編「ホースプリンセス」
こんばんは!
那祢です。
今回は後編・・・・は無理だったので中編?
後編は次回に。
またあとがきで
俺はこのゲームが始まりいろんな女の子と会話をした。
こう言うゲームは大体好感度を周りの友達と会話しなくて下げられる。
男のバイブル『ときめいてメモリー』を何度も攻略したことがあるからな。
あとは自分のステータスも。
勉強や運動の合間にファルスティーナやシャンメール、ターニアルと会話をする。
何故彼女達かって?
だって、人っぽいじゃないか。
下半身が蛇や魚、ましてや馬なんかに恋できるはずが無い。
そう思っていたのだが・・・・・
「いかがされましたか?カイル様?」
今日はデートの日。
今、隣に馬の子がいるのだが・・・・・
流行りの耳や髪型が馬の女の子じゃない。
ケンタウロスの女の子だ。
俺はこの間まで男っぽいとしか意識していなかった。
馬の子だ。
「あ、いや綺麗だなって思って・・・・」
「き、綺麗?そんな誉め上手です。」
顔を赤らめて横を向く。
まさに照れている可憐な女の子だ。
「ま、マリアン。」
「は、はい!何でしょうか?」
「君の姿が変わっていて驚いているんだけど何かあった?」
何回か会っていたのだが・・・・・
隠していたみたいでいきなりここまで変わっていて焦っている。
「えっとー。カイル様の好みを聞いてそれに近くなろうと練習してみただけですが?似合いませんか?」
只の普通に練習していただけではこうはならない。
血の滲む努力があったのだろう。
俺は少し好感が持てた。
「いや、可愛いよ。じゃあ行こうか!」
「あ、はいっ!」
そして楽しいデートが始まった。
それから俺は休みの度にマリアンとデートをする。
近場や公園、買い物や遊園地など。
笑顔の彼女がかわいい。
俺の心は一瞬に奪われてしまった。
一目惚れなんて無い。
そう信じていたんだが・・・・
それからと言うものライローグからマリアンの情報を毎日聞くようになった。
たまに俺の好みもリークしながら。
放課後にはライローグの特訓を遠目に見ながら。
師匠と弟子。
例えると獣コンビでいきぴったりな二人。
そう思っていた。
あの日までは。
卒業前日。
閉めていた窓を空気入れ換えのため開けたときのことだった。
どこからともなく叫び声に近いものが聞こえたのだ。
それに俺は耳を済ませた。
「解らない・・・お前・・・・!あたしが私に・・をかけるんだ!・・・あきらめて勇者の元に・・・・・!あたしは・・・・・・・気持ちを裏切れないっ!好き・・・!お前がっ!だから私を愛して・・・・っ!」
愛の告白でだった。
学生寮で告白?
何処の誰だよ!
テンション高い俺はその相手をそっと伺った。
「なっ!」
見覚えのある。
当たり前だ!
マリアンだった!
今日、遊びにいく時に着ていた服だ。
そんな二人が・・・・・キスをした。
しかもマリアンから。
二人は師弟関係ではなかったのか?
なら今日のデートはどういう訳だ?
彼女は俺の事が好きなのではないのか?
「ライローグ・・・君はマリアンが好きなのか?」
俺はこの衝撃に耐えれなくなり扉を閉めた。
そして布団に入り丸くなり何故か泣いた。
このとき一瞬、何か黒いものに覆われ悪寒を感じたが。
裏切られた衝撃が強すぎて気にしなかった。
そして泣きつかれて眠ってしまった。
卒業式。
俺はライローグに久しぶりに訪ねてみた。
色々外野がうるさいが・・・・・
「そうそう。マリアンの事なんだけど・・・」
「ああ!了解!」
そう言うと彼は嬉しそうに胸のポケットにあるメモ帳を出した。
ー ピッカー! ー
メモ帳が金色に輝いている。
多分彼女の全ての情報が書き記されたのだろう。
彼はマリアンのページを開き話してくれた。
真実か嘘かはわからないけどね。
「あ、ああ、ありがとう!自信ついたよ。じゃあ卒業パーティーに彼女を誘うね!今までありがとう。ライローグ!」
そして俺はマリアンを卒業パーティーに誘う。
期待のわくわくからあっという間に卒業式は終わった。
帰りにマリアンを呼び出す。
「マリアン、君と一緒にパーティーに行きたい。どうだろうか?」
不安はあった。
昨日の光景を見ているから。
そんな気持ちの僕を余所にマリアンは
「はい!よろしくお願い致します。」
了承してくれた。
嬉しさに僕は寮に急いで帰る。
ライローグを見かけたが少し肩を落としている気がした。
ー ふふふ・・・・・パーティー会場で覚えていろ! ー
そう心に呟いた。
パーティー会場は学校内にあるダンスフロアで行う。
ダンスレッスンもここで行った。
待ちきれない。
彼女に会いたい。
苦しむライローグを見たい。
すぐに支度をしてマリアンを待ち合わせ場所に迎えにいくことにした。
白い彫刻
そこには一人の女性がいた
スカーレットカラーのドレスを着たマリアンだ。
「待ちましたか?」
「いえ、今来た所です。では行きましょう。」
歩きだそうとするマリアン。
「待ってください!」
それを止める俺。
そして・・・・・
「会場では伝えるのはマナーが悪いので今伝えさせてもらいます。マリアン、私はあなたが好きです。私の婚約者になって下さい。」
「ふぇっ!」
マリアンは驚く。
そうだろう。
会場で告白をするのが卒業式パーティーの名物だ。
だが俺はここで告白する。
何故かって?
断りやすくしたんだ。
フラれやすく。
そうすればライローグももう一度マリアンに告白を。
そこを俺が彼女をものにすれば・・・・・・
「ふふふ・・・・」
つい笑ってしまった。
なんて俺はやさしいんだろう。
そう思い期待するが・・・・
「か、カイル様。ガサツで可愛くないかもしれませんが・・・・貴方に会う女性に努力し続けます。よろしくお願いします!」
了承の言葉を伝えられた。
あれ?
それじゃあこの計画は?
そう考えながら嬉しそうな彼女の顔を見る。
まあいいか!
婚約できたしこれをあいつに見せつければ!
卒業パーティーを期待して向かうのであった。
ー 勇者カイルとケンタウロスの娘マリアンの婚約! ー
ー あの影なる特訓は勇者を射止めるためか? ー
ー ケンタウロス族の長は了承し人間族と友好条約を結ぶ! ー
会場では大騒ぎだった。
どうやら誰かがこれを見ていた奴がいたのだろう。
多分妖怪ニュースのやつらか。
気になどせん!
さあ、ライローグ!
何処にいる!
俺は彼女を、マリアンを勝ち取ったぞ!
でてこいや!
そう思っていた俺。
だがいっさらライローグが来る気配がない。
その日ライローグは会場に来なかった。
ー ライローグ!主人公の俺を無視しやがって!許せん!モブのくせに! ー
苛立ちを感じるもそれからライローグに会うことはなかった。
勇者となったカイルも婚約披露や魔王退治などを繰り返し行ったり多忙であったから。
一人の男に憎しみをつのらせながら。
なんでライローグが殺されたのか。
勇者カイルの中の人は?
また次回!
那祢でした。




