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第八十話「カイル、選択ミスする。」

こんばんは!

那祢です。

放課後の話。

ある方があわてていて。

またあとがきで

ー キーンコーンカーンコーン・・・・・・ ー


やっと放課後だ!

僕はすかさず教科書を片付ける。

僕は気分ノリノリ西川○教だ!

何故かって?

それは今日は放課後イベントがないからさっ!

・・・・

説明していなかったか!

放課後イベントとは放課後に誰かと遊びにいったりトレーニングしたりして心身を鍛えたり気になる可愛いあの子とデートしたり。

まあ、アドバイザーに好感度やアドバイスを聞く必要が無い時間なのである。

ゲームスチールを集める彼らは必ず女性とイベントを興すはず。

となれば僕は暇に・・・・・・

そう思っているときだった。


「ライローグ!いるかい!!」


教室の入り口で大きく名前を呼ばれる。

そう、僕の休みがバラバラに崩れる声だ。

振り向くとそこには勇者カイルがいた。

目が合うとすごい勢いでやって来た。

いや、毎日来てるから知ってるだろうに。

やって来たカイルは僕をつかむと


「ちょっときてくれ!話がある。」


引きずりながら教室を出ることになった。

出る際に


「約束は?」

「私とアイスクリーム食べに行くのは!?」


マリアンとセオンに聞かれたので


「また今度!」

「約束だよ!」

「守ってね!」


の言葉に


「もちろん!友達だからね。」


と手を振る。

するとカイルの引っ張る力が強くなった。

これはまさか・・・・

女性関係か。

僕はカイルに引っ張れながら向かう。

その方向は・・・・体育館?

二人ら体育館の裏に向かうことにした。


体育館裏。

そこは不良の溜まり場。

体育館裏。

体育館で部活している声が聞こえる場所。

体育館裏。

日向ぼっこやお弁当を食べるのに向いている大きな木とベンチがある場所。

・・

・・・

裏ってどこを指すのか?

正面以外は側面になるのか?

だが入る場所は全方向にあるから裏って理論は・・・・・


そう考えてしまう。

なぜなら目的地についた僕とカイルは只今長い沈黙していた。

約束断ってここまで連れ出してるんだから早く話せと思っているのだが。

話辛いらしい。


「なあ、ライローグ。」

「ん?」


その沈黙がようやく解除される。


「お前、情報屋だよな?」

「ん。まあそうだね。」


もちろんそうさ!

君たちに情報を与え恋愛に繋げる!

そう、まさに愛の伝道師さ!

とまではいかないけど。


「ならお前から聞いたアドバイスなんだが・・・・」

「この間教えたやつね。」

「ああ、あれなんだが・・・・・」


顔を伏せるカイル。

なにか言いづらいのか?

そして彼の口から出た言葉は衝撃的だった。


「・・・・・何一つ会話で役に立たなかった。」

「はっ?」


驚きで言葉がでなかった。

役に・・・・立たない・・・・?

そんな馬鹿な!

動揺する僕。

メモをもう一度確認する。

間違いがあるはずがない。

このメモは僕が触ったり心が通った人の情報が記載される特殊なものだ。

だからそんなことなるはずが無い。


「ちょっと待って!役に立たなかったって?!」

「ああ。」

「な、何があったか詳しく教えてほしい!」


と伝えるとカイルは渋々話し出した。


まずアルムファイムと話をしたらしい。

カイルは可愛らしい顔とすべすべした鱗をまず誉めた。

次に趣味の話。

そしてからデートに誘った。


ミリュン先生には・・・・

デパートにて買い物の話。

何のスポーツが得意か。

そしてお金をためて何をしたいか。


・・・・・・・・


「カイル君?」

「ん。」


真似された。


「君。アドバイス、間違ってるよ。」

「・・・・・・はあ?いや間違えてないって!俺はお前から聞いた通りに選択を!」


この世界は文章選択式なんだね。

僕はこんなに話をしているのに。

ちなみにお気づきだろう。

彼の失敗に。


「カイル、君は選択肢逆にしている。」

「逆に?」

「アルムファイムに選ぶのをミリュン先生に。ミリュン先生に選ぶのをアルムファイムに使用しているんだ。」

「はあ?!じゃあ・・・・」

「可愛らしい顔とすべすべした鱗をまず誉めたのは彼女がほしくなかった部分を誉めている。可愛い顔より美しい顔なら舐められずもっと商売しやすかった。足があれば町で変な目で見られないとか。次に趣味の話。彼女は趣味を削って仕事したりしてるからそれが趣味だよ。デートは無駄時間多いから嫌がられる。もう少し仲良くなってからじゃないと。」

「となるとミリュン先生には・・・・・」

「デパートにて買い物の話は!」


カイルが食いついて聞いてくる。

目が血走っている。


「ミリュン先生、エスカレーター乗れる?」

「あっ。」

「何のスポーツが得意って案外運動音痴だからね。どちらかと言えば本を読む方が好きかな?」

「お金の話は・・・・」

「先生、お金より好きな人とくっつくのが好きと保健室で言ってたような。」


ー ガタン!!! ー


そう伝えるとカイルが頭抱える感じで崩れ落ちた。

そりゃそうだよな。

相手の嫌われる事を言っていたからな。

下がった好感度あげるのは苦労する。

恋愛ゲームの鉄則だ。


「も、もうお・・・しまいだ・・・・嫌われた嫌われた嫌われた・・・・・・」


カイル。

心配になったのでカイルの顔を覗き込む。

すると僕の胸ぐらを行きなり掴む!


「ライローグ!何でしっかり言わないんだよ!もうお仕舞いだって!」

「なっ!?」

「好きな子に嫌われたこと無いだろ!!!だから余裕なんだ!そうなんだろ!」


顔が真剣だ。

カイル・・・・の向こうに何かいるのか?

泣き騒ぐカイル。

そんな彼の肩を僕はポンと叩く。


「カイル。僕は勇者じゃない。単なるモブだ。すかれるはずが無い。クラスの皆は優しいけど他のクラスの反応を知ってるだろ?」


そう、同じクラスの方は長く一緒にいるため好感を持たれているが違うクラスでは「キモい!変態!女子の敵」と言われている。

しかも、モブは好感度上がるイベント無いし。


「カイル、君はまだやり直せるんだ。だからさもう一度頑張ろう。」

「う、うん。ライローグ。よろしくね。」

「その粋だよ!それから・・・・・」


心が脆い勇者を慰めるのに時間は過ぎていくのだった。

選択ミスしたカイル。

いつものカイルとは違うような?

では?

またよろしくお願いいたします。

那祢でした。

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