第七十六話「私はダメニャ?予防線を引く猫」
こんばんわ。
那祢です。
新しいストーリーになりましたがまだ勇者にヒロインをおすすめできないライローグ。
そんな時にヒロインが一人。
誰でしょうか?
バレバレだと思いますがまたあとがきで。
一日目の夜。
僕は一度攻略対象リストを確認した。
巨人族の姫、シャンメール。
性格はお嬢様系で僕がすることに色々と口うるさい。
だけどバスケ怪我した時などテンパってしまい110番かけられそうになったぐらいだ。
でも、どうやったら小さい人間と大きい巨人を結べるのか?
メデューサの先生、ミリュン。
ミリュン先生は授業態度が悪い生徒にはとことん怖い先生だがわからないことを聞くと解るまで教えてくれる世話焼きお姉さんだ。
二つ前の話の時にお世話になった。
髪が蛇の見た目だがソープ系の香水の臭いが微かに香って・・・・・・・
ごほんっ!
話を戻そう。
ただ生徒と恋愛対象にみてもらえるのか?
難しいところ。
スライムの保健医、ジュリー。
ジュリー先生はマイペースな人だ。
いや違うか。
方だ。
人の形であったり液体であったりと様々な姿をしている。
そのためなのか難しいことは一切考えようとしないらしい。
仕事は怪我を発見したらその人を治す。
それしか考えないようにしているらしい。
前に聞いた時は疲れると言ってたな。
ラミアのクラスメート、アルムファイム。
半身蛇のアルムファイムはお金が好きだ。
学校のお仕事をお願いすると「いくらで?あたしゃー言い値じゃないと動きませんよ?」と聞いてくるぐらいだ。
だからいつも一人でいることが多い。
スタイルも見た目も悪くないんだけどね。
ただ蛇の鱗が・・・・・
鱗のザラザラが好きな人にはたまらない
あと一人。
猫又の妖怪、キサラギ。
僕の幼馴染みでゴーイングマイウェイな妖怪。
お気楽な性格だったりいきなり機嫌が悪かったり。
いきなり遊べとか言ってきたり。
性格がほぼ猫である。
可愛いのはあるんだけどな。
と上げた五名がメモに残っていた。
もう一度眺めるとどれも面倒くさい方達だった。
キサラギは勇者に警戒している様であんまり話しかけない。
無理に進めれば勇者達が引っかかれて絶縁になるだろう。
シャンメールが気にはしているはやはり背丈の大きさ。
かなりあと恋愛には奥手で自分からは話しかけない。
先生二人は・・・・・難しいかな。
何せ触れた回数が少ないため情報がない。
ミリュン先生は一回、最初の頃に触った位だしジュリー先生はいつも球体で何処を触れば大丈夫かわからない。
アルムファイム。
お金に執着しすぎて勇者の事をまったく見る気が無い方。
自分、お金無いからあんまり関わらないようにしていたから情報も少ない。
うーん。
誰にしようか。
廊下を歩きながら考える。
お風呂にもさっき入ってきたし部屋に戻りあとは寝るだけ。
そんな僕はふと外を眺めてみた。
空は星が綺麗だ。
三階なので中庭も一帯見わたせる。
僕がいる学生寮は上から見るとカタカナのコの字型になっている。
コの上に女子寮、下に男子寮で右には共通利用施設の三階建てとなっている。
共通利用施設は食堂やお風呂、談話室や先生達の部屋など。
因みにコの真ん中には公園やベンチなどあり憩いの場になっている。
なので向こうを見るとたまに・・・・
あ、いた。
「ふんふふふーん。ふんふっふふーん。」
呑気な声が聞こえる。
確認するとやはりキサラギだった。
お風呂に入ってきたのだろう。
頭をタオルで乾かしながら鼻唄を歌ってる。
「にゃにゃ?」
どうやらこちらに気が付いたようだ。
窓から少し乗り出しこちらを見ている。
「おや!その狐っぽい顔。ライローグだにゃ!オーイ!何してるにゃ!」
手を振っている。
今日は機嫌がいいようだ。
「いや、何にも。外のぞいてい・・・・」
「聞こえないにゃ!もっと大きな声で言うニャ!」
イラッとする。
そうなんだよなこいつ。
ここで大声出してると先生に注意されるのがわからないのだろう。
ミリュン先生に見つかったら・・・・・
首を降り考えるのを止めた。
そして
「ここで話をするなら談話室でしよう!先に行ってる。」
そう言い窓を閉めた。
「なんでにゃ!ねぇ?ライローグ!?」
騒いでいるが無視して談話室へ向かう。
談話室には数名いた。
いたのだが僕を見てそそくさ逃げていった。
蜘蛛の子を散らすように。
暫くすると・・・・
「なんで早く行くにゃ!仕度できてなかったニャ!」
お怒りのキサラギがやって来た。
パジャマから可愛い服になっている。
ご立腹なのか怒っていた。
世界中の男性にアドバイス。
女性がこう言う時はこう言おう!
「あれ?さっきパジャマだったけど着替えてきたの?可愛いな。」
「なにゃっ!?」
動揺している。
女子の可愛いはよく言われているキサラギ。
「あの消しゴム、可愛い!」
「このファッション、可愛い!」
「このマスコット、キモくて可愛い!」
などほぼ可愛いが挨拶みたいなものだ。
だが男子から言われる可愛いは彼女達に対し別格である。
そう、異性からの可愛いは。
「か、可愛いにゃ、にゃんて言われにゃれてるにゃ!ね、猫にゃったし!元々猫、猫にゃったし!」
言葉が噛みまくりだ。
嬉しいのか恥ずかしいのかわからないが顔が真っ赤だ。
これ以上言うと逆ギレされるから止めておくか。
「なあ、キサラギ。」
「な、なんにゃ?」
「今悩んでいて、聞いてもらっていいか?」
「にゃ?弱気なライローグ。珍しいニャ!なんでもいうにゃ!」
自信満々に胸を叩く。
揺れるお尻と揺れないお胸。
振動の伝わりが解る。
「いま、勇者の恋人探しをしているんだけど・・・」
「にゃ?」
「どの子を進めて良いか分からなくて。一応五人候補にいるんだけど。」
「にゃ。」
「考えた末にキサラギを進めようかと。」
「へにゃ?!」
「だから、良いよね?駄目かな?」
「どうしてそうなるにゃ!そして何故それを私にいうにゃ!」
「だってさ。キサラギも候補だし何でも言えって・・・・」
そう言うとキサラギは顔を真っ赤にして
「それを本人に言うのは失礼ニャ!考えるニャ!『なんとも思ってないやつを好きになれ。』と言われたようなものニャ!ライローグ!私をバカにしてるにゃ!?」
本気で怒こっている。
このままではヤバイ。
「違うよっ!そう言うわけではなく・・・・」
「もうそういうこと言わないでほしいニャ!・・・・・ライローグには。」
「ごめん。」
僕は頭を下げる。
そう言えば創造主のせいで好感度上がったままだった。
キサラギとは何気なく話しているから。
どれだけ上がっているか気にしていなかった。
「もう言わないニャ?」
覗き込むキサラギ。
ふとかわいく思う。
だけど好感度を操作されていると考えると・・・
創造主、殴りたい。
「わかったよ。もういわないよ。ごめん。」
「わかってもらえればいいニャ!では話を戻そうにゃ!勇者に誰を攻略させるニャ?」
「えっ?さっきは駄目って言って・・・・」
「なに言ってるニャ。私がダメなだけニャ。」
「おいおい、お前って本当に・・・・・」
ため息をつく僕にキサラギは、
「これが猫の気まぐれにゃん!」
そう言ってにゃんにゃんポーズをとるのであった。
うん、かわいいしずるいな。
呆れている僕。
そんな二人の後ろに一人。
聞いていたものがいたのに気づくのはまた後の事だった。
猫又の妖怪、キサラギ。
彼女の恋は?
ライローグは気がつくのか?
そして誰を選ぶのか?
次回もよろしくお願いいたします。
那祢でした。




