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第七十五話「ライローグ、ストライキを起こす」

あけましておめでとうございます。

那祢です。

言えない人は今年もよろしくお願いします。

今回はまた振り出しに戻ったライローグ。

そんな彼はついに?

タイトルでバレてしまいますね。

ではまた後書きで。

「なあ、ライローグ?」

「・・・・・・・・・」

「黙ってたらわからないのだが。」


僕は今、お昼休憩をとっていた。

屋上で一人で。

そんな僕に何回も話しかけるカイル。


「なあ?ライローグ?」


だけど僕は何も話さない。

誰とも口を利かない。

そう決めたのだ。


「何してるんだい?カイル?」

「おっ!ヤスベ!お前も聞きに?」

「決まってるだろ?で、どうしたんだ?」

「いやさあ・・・・・・」


ヤスベがやって来た。

カイルは僕の方をちらっと見て気まずそうに


「ライローグが口を利いてくれないんだよ。まったく働いてくれなくてさ。」


そう呟いた。

働いてない?

はあぁ?

働くってなんだよ?

アドバイスをしてお金もらってないんだが?

まずお前の聞き方がムカついたんだが?


「おーい!ライローグ!ユミファの情報をおしえてくれ!」


だって。

ユミファの情報を教えてくれ?

僕、嫌われているからユミファと話したこと無いんですけどね。

しかも、ユミファの情報渡してもお前、違う女の子薦めたらその子選ぶんだろ?

そしてバッドエンドになってまたここへ戻ることになるんだよな。

うん、やってられない。


そして今、ストライキー起こしています。


「ライローグ。お前の好きそうなもの渡すからさ?なあ?」

「・・・・・・・・・・」

「ふむ、楽しそうだな!私も混ざりますね!」


カイルに釣られヤスベもは混ざってきた。

僕はお前ら二人に関わりたくないのだが。

そっぽを向く。


「ますは俺から。これを見よ!」


鞄から一冊の本を丁寧に取り出す。


「おっ!そ、それはっ!」


その本を見たヤスベは驚いた!


「じゃーん!今は値段が倍増、誰も買えないこの本だ!『◯ロ婦なエルフ!』」

「おーっ!!エルフ協会にばれて自主回収になったあの作品だー!!!」

「しかも、初版だぞ!限定レア!」

「すごいだろ!対してライローグはー?・・・・・・・」


写真集を開いてみた。

美しいエルフが森や町中で半裸や全裸になっている。

確かに凄いのだが・・・・・

僕は創造主の見せたターニアルの事を思い出す。

僕の横で幸せそうに笑みを浮かべていた。

だけど僕は・・・・・・

持っていた写真集をカイルに返す。


「・・・・駄目か。」

「じゃあ次は私の番だね?」


項垂れているカイルを確認してヤスベがくる。

彼も自分の鞄を漁りだした。


「おっ!これこれ!はい、ライローグ!」

「そ、それはまさか!」


鞄から一冊の本を取り出し僕に渡してきた。

驚くカイル。

そんなに凄いものなのか?

僕は確認する。


「世界艶妖怪絵巻」


僕は中身を確認する。

ろくろ首のヌードから始まり水浴びする化け猫。

甘えるすねこすりや一反木綿を使ったセミヌード。

袋とじは大人気アイドル雪女の雪菜さんのセクシーショットが!

妖怪マニアにはたまらない物だった。

ちなみに僕はマニアではない。

種族が妖怪なだけだ。

写真集をヤスベに返す。


「くっ!これも駄目か。」

「ま、真実かよ!俺なら喜んで・・・・」

「これの良さ、わかるか?これはな・・・・」


二人で盛り上がり始めた。

僕は下を向き黙々と昼飯を食べる。

スパゲティーパン案外旨い。

うまい!

うまい!

旨い!

ついつい心の中で物真似を。

さて、これで二人は諦めてくれるかな。

顔をあげると


「ライローグ!次はこれだ!『かわいい亜人娘(あじっこ)ちゃん大全集!』これはたまらないはず!」

「私は『都市伝アマパラ』これを読めば君もこちらに・・・・!」


分厚い本と少し薄い本。

図鑑と同人誌の総集編ぐらいだ。

カイルからかわいい亜人娘ちゃん大全集を受け取り開く。

森に佇む半裸なケンタウルス娘や王座で足を組む全裸ヴァンパイア娘。

海を泳ぐ人魚に発情期のハーピーも。

ナーガやアラクネの裸体には驚きを隠せなかった。

巨人はジオラマで普通の人が写真を撮っているみたいだった。

かなり衝撃が強すぎるシーンが多かったな。


ヤスベの方は・・・・・

八尺さまの・・・・・から始まりチラ見せの女の子隙間お化けやはな子さん。

寝起きのテケテケのセクシーショット。

ターボお婆ちゃんのヌードやくねくねの静止画やらと危ないものも。

ある意味口裂け女さんの見せすぎたヌード。

一番ヤバイのは『ひ◯子さんに密着』かな。

コメントはなんも言えない。


「ふー。」

「「で、どうだ!」」


二人の顔を見る。

どうしてもこの本に出たこの子達と恋をしたいのだろう。

のらないが・・・・・・

こうしていても終わらないしアイツも許さないだろう。

見てるんだろ?


ー ご明察ー。 ー


頭の中で返事が帰ってきた。


ー あなたが何もしないとなると存在を書き換えて消そうと思いましたがー。大丈夫ですねー。今回も期待してますよー。ではまたクリアーしてからねー。 ー


そう告げて喋らなくなった。


「ふー。」


もう一度ため息をつき僕は二人にアドバイスすることにした。

この話を無事に終わらせるために。

ストライキしても創造主に書き換えられる。

ならばどうする?

考えた末に従うライローグ。

次は誰をハッピーエンドするのか?

それとも?

次回もよろしくお願いいたします。

那祢でした。



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