第七話「エッチなのはいけないですよ?」
先生のお怒りを受けて固まる女子生徒たち。
その姿を眺める俺。
-可愛い子は石になっても可愛いんだな。-
俺はジ~ッと見ているだけじゃ物足りなく、つい指を少しつまんでみた。
すると・・・ポケットの中が熱くなった。
-なんだ?またメモ帳が光ったぞ?-
確認しようとメモ帳を取り出そうとする。
俺はポケットに手を入れてガサガサしていると・・・
「ライローグくん・・・何してるんですか?」
怒り顔のミリュン先生が肩を掴んでいた。
口もとは笑っているが優しい先生の声ではなく・・・
それは冷酷と言うぐらい冷たい声が後ろから聞こえた。
「ライローグくん。女の子のおさわりは禁止ですよ。・・・それとポケットに手を入れて何してるんですか?」
-ニコニコしているがミスったら死ぬパターン。これは死亡フラグだ!-
そう思った俺は素直に伝えることにした。
ポケットに入っているメモ帳を取り出す。
「俺の持っているメモ帳だけどたぶん相手の体の一部を触ることで相手の名前や思っている気持ちが記入される仕組みになっているんだと思って確認しようとしたんだ。」
「えっ?どういうことなの?」
先ほど先生に説明した不思議なメモ帳の中身を見せることにした。
「俺がさっき偶然、石化した女の子を触ったんだ。」
「そうね。偶然と言うか確信犯ですけどね。イタズラしてないかすごく心配でした。」
「(ばれてたか!)そのときにポケットのメモ帳が温かくなったんだ。」
「温かく?それがどうしたの?」
「だからちょっと気になって確認しようとメモ帳を取り出そうかと思ったんです。」
俺はミリュン先生に説明しながらメモ帳をページをめくることにした。
一枚一枚と捲っていくとメモ帳の欄に新たな名前が載っていた。
そのページを読み始めようとすると・・・
「ふぅ~ん。なら実験で私の手でも握ってみる?」
「えっ!?いいの?」
そう言われるといてもたっても要られず俺は先生に手を差し出した。
少し笑い先生がそっと手を重ね握手をする。
-ピカ一ッ!-
予想通り持っているメモ帳が光りだした。
新しいページが開かれたのだろう。
しかし、先生との手を離したくない男心。
柔らかいしスベスベしていて・・・
「・・・ライローグくん?どうしたの?」
その一言で我に帰る。
「いや~。手を離したくないな~ってね。」
「いい加減にしなさい!手ぐらい何時でも繋いであげますから確認しなさい!」
怒られたので急いでメモ帳を開いて見るとミリュン先生の名前のページが光って載っていた。
好きな食べ物は鶏肉料理。
嫌いな物はお煎餅。
そして誰に興味を持っているかやスリーサイズまでしっかり乗っていた。
-すごい!でもこれを先生に見せて?大丈夫なのか?スリーサイズや好きな人まで書いてあるのだか-
そう、悩んでいると・・・
「ライローグ君、見せてくれるよね?」
ニコニコしながら先生が僕の近くに来た。
断っても多分ダメなんだろう。
もしかしたら石化されるかも。
僕は腹をくくり先生に見せることにした。
先生が真横に来てのぞきこむ。
「えっ!あらあら、こんなことまで乗っちゃうのね。私ってそうなのね・・・へぇ~・・・」
先生が僕の隣でメモを見ている。
肌がきめ細かく綺麗だ。
臭いもフローラルな香りがするし
そんなうとうとしていると先生の髪の毛の蛇が僕にちょっかいをかけてきた。
最初はツンツンしたりしていたが飽きたのか甘がみしたり結構楽しんでいるようだ。
どうやら先生の好感度によってこの蛇が優しくなるから厳しくなるかが決まっているらしい。
今、楽しいときなので蛇も狂暴ではないみたい。
「ふぅ~。」
メモを読み終わった先生は一息ため息をつく。
そして・・・
「名前を覚えるのにこの子たちに触る必要があるのね。わかったわ。触って良いわ。」
と言って石化している子たちに触っていい許可をもらった。
早速、俺が触ろうとするとミリュン先生から一言。
「ただしエッチなところを触ったりしたら、貴方を石化させて海に沈めちゃうよ。」
と釘を刺された。
さすがにその一言が怖かった俺は石化している女性達の頭や手などにそっと触った。
-ピカ一ッ!-
またメモ帳が光り出し新たな情報を記載していく。
一人ひとりさわり終わると情報をチェックした。
気になるのかやっぱりミリュン先生も覗き込む。
読んでいる内先生のテンションが下がってきた。
そして、いきなり俺に向かって
「ところでスリーサイズは消えないのですか?」
と言う先生の質問をしてきた。
それに対して俺は
「そうですね。消えないと思います。」
そう答えると
「・・・そうですか。はぁ~。」
先生は少ししょんぼりした。
その時、まだ先生の聞いた理由がわかっていなかった。
後々わかる最近の学生のスリーサイズのことを。