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第六十六話「恐怖の朝」

こんばんわ。

那祢です。

今回は朝の出来事。

こんな朝、ありそうでないですよね。

実際あったら?

こう思うはず?

またあとがきで!

ただいまの時間は朝の五時。


「あーまだ寝ていたい。」


目覚めた僕は布団の中でモソモソする。

昨日は疲れていたのでご飯、お風呂そして布団の順であっという間に寝てしまったからな。

しかも季節は秋。

外の空気もそろそろ冷えてくる。

まだ布団から出たくないな。

あと情報を与えるモブなのに仕事多くない?

勇者をハッピーエンドにするためだけに動く。

自分の事など二の次で。

それが嫌だ。

しかも前回は長生きだったからね。

多分、おばちゃんたちが料理を作っているんだろう。

いい臭いがする。


「うーん。」


寝返りをうつ。

まだ布団に・・・・・・


「あっおはようございます。ライローグくん。」

「えっ?・・・・・・・・・なぁっ!?」


向いた方向にはイルフィスがいた。

なぜこんなところにイルフィスが!?

横を向いた反動で手が彼女の腰にかかる。

まるで引き寄せるように。

あっ・・


「きゃっ!抱き寄せられました。」

「ごめん!わざとじゃないんだ!」


そう言って離れようとしたのだが・・・・


「逃げないでください。」


力強く服の裾を握りしめるため離れられない。

妖力が足りないからか?

それとも彼女の力がマッスルゴリラだからか?


「今、失礼なこと考えてましたね?」

「えっ?何の事?」


ギクッとなった。

魔女は心が読めるのか?

そう思っていると


「どうしてわかったか気になりますか?」

「あ、はい。」

「変な顔してました。いつも考えているときと同じ。眉毛が下がって少し苦笑い。」


かなり観察されているな。

・・・・・・

いや、かなり怖いのだが。


「すみませんが手を離してください。」

「えっ?何でですか?」


きょとんとした顔をされる。

さすがに朝起きて女の子と二人で布団の中。

かなり辛いものがある。


「離れたいからですが・・・・」

「ならダメです。」

「学校の支度を・・・」

「まだ早いです。」

「女性と一緒に布団に入るのは・・・・」

「襲いたくなりましたか?かまいません。」


彼女は裾を持つから抱きしめる形にかえる。

慎んだ柔らかなものがあたる

やめてー!

私は今、生理現象真っ只中よ!

バレないようにささやかに「くの字」になる。


「襲いません!」

「ならもっとスキンシップを・・・・」

「イルフィスさん!?」


抱きしめる力がさらに強くなる。

僕の頭を胸の方に引き寄せる。


「ほら、甘えて良いんですよ。」

「離して!」

「嫌々して。暴れないの。」

「このままでは・・・・」


明日の学校通信の記事の一面は僕になってしまう。

考えるんだ!

考えるんだもう一人の俺!


ー ・・・・・・・おはよー ー


あ、今起きたようだ。


ー ・・・・・狐化すれば? ー


あ・・・・・・

それがあったな!!!

完璧に忘れてた!


ー ボフッ! ー


「あっ!」


僕は直ぐ様に元の姿に戻る。

イルフィスは服を握っているのですぐに逃げれた。

布団から出て机まで逃げる。

かなり距離をとった方が安全だろう。


「何で逃げるんですか!」


布団からガバッと起き上がるイルフィス。


「逃げるもなにも朝いきなり布団にいれば誰でもあわてます。」

「えっ?男性が好きなシチュエーションではないですか?」


確かに朝起きて可愛い女の子と一緒。

漫画ではかなりあるシチュエーションだ。

だがそれは三つに別れる。


一つ目は恋人同士の朝だ。

朝起きて愛する君が隣にいる。

女コミにはかなり有名なテンプレートだ。

そして「おはよう。」「まだ寝てていいよ」とあまーいイベントが起こる。

までが一通り。


二つ目。

お酒を飲んで記憶がなく隣に知らない人パターン。

「寂しさで最後までしちゃった」やら「寝てしまい送る場所がわからなく自分家への未遂」やらで気まずくでも忘れられず最終的に恋に発展。

という大人の恋愛テンプレート。


三つ目。


「いきなり隣に何者かシチュエーション。」

「えっ?」


あ、声に出していた。

まあ彼女に伝えるならばこのまま伝えればいいか。


「分かりやすく言えばあまり知らない人が家にいたらビックリするドッキリ現象だ。たとえば安心できる部屋のどこかに人がいたらビックリするよね?」

「そうですね。」

「海外ホラー映画には良くあるんだよ。そして大体の場合がそのあと殺される。」

「そ、そんなー!」


布団の中の死亡例が思い出せたが・・・・・

良いものではないな。


「普通、お布団に女の子がいれば思春期の男子は欲望を解放すると思っていました。」


ひどい偏見だ。


「襲わないよっ!」


たぶん。

今回は第二のライローグが危うかったが。

そう思っているといきなり彼女は布団から出た。

そして身だしなみを整えると・・・・


「朝ご飯できてますから下でまってますね。」


ウインクをするとドアを開けて去っていった。

僕は狐の姿のまま布団に座る。

そして・・・・


「疲れた。」


ー ぽてんっ ー


そのまま布団に倒れた。

がすぐに起き上がる!

布団から食べ物のいい臭いとイルフィスの臭いがする。

人間の三大欲求の内二つを感じとる。

うん。

寝れないよな。

僕は服を着替え食堂に向かうことにした。


「まってたよ。」


食堂に着くと僕にすぐ気がつくイルフィス。

奥から手を振る。

そのため全員の視線を集めることに。

気まずい僕は券を急いで買う。

食券を出すと


「はーい。用意してあるよ。たんと食べな!」


おばちゃんがすぐに用意してくれた。

これってまさか!

食堂奥のイルフィスと再び目が合う。

ピースをしている。

くっ。

多分布団の臭いで頼むのを予測していたのだろう。

断ることができないので素直に唐揚げをもち席についた。


ー ガン ー


なにか音がしたが食べることにした

唐揚げはジューシーだし柔らかい。

うまい。

進む。

ご飯がよく進む。

あっという間に食べきってしまった。

立ち上がると僕がおかわりをすることを期待していたのかご飯をよそる係としてイルフィスがかまえていた。

かなりの列が並んでいる。

それを横目に配膳を片付けると・・・・


「えっ、えー!!」 


と聞こえたが聞こえないふりして食堂からでた。

色恋沙汰にかかわるとたまったもんじゃない。

ましてやモブだ!

主役より目立ちなんて事はできない!


「・・・・ローグ」


マリアンやファルスティーナ、セオンみたいなのを増やさないために。


「ライローグ・・・・・」


僕は耐えるんだ!

恋愛しないように!


「「ライローグ!!!」」


はっ!

としてて振り替える。

そこには勇者の二人が待っていた。

ロビーで二人列びながら。


「あ、おはよう。カイルとヤスベ。どうしたのここで?」


いつもは乗り込んでくるのに。

二人おとなしく座っていた。


「だってなぁ?」

「そうだよな。」


二人は顔を見合わせて・・・・


「「食堂の魔女怖いから。」」


そう小さい声で二人はつぶやき・・・

下を向いていた。

昨日何があったか聞いても教えてくれなかった。

勇者二人が怯える魔女。

僕は怒らせないでおこうと心に決めるのであった。

あまり親しくない人がいたら怖いですよね。

そんな朝のお話でしたが。

あれにお気づきでしょうか?

次回はアナザーストーリー予定です。

またよろしくお願いします。

那祢でした。

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