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第六十五話「思い出せないキーワード」

こんばんわ。

那祢です。

更新遅くなりました。

今回の話はあの子の話。

呼び出しを受けたライローグは?

またあとがきで!

「ライローグ。ちょっとこっちへ来なさい。」


昼休み。

僕は机に教科書を片付けていると教室の入り口でだれからか呼び出しがかかる。

その相手を確認すると


「げっ・・・・・」


と声を出してしまった。

クロエだ。

しかも手招きをされている

ちょっとこっちへ来なさいって言われても。

拒否権は無いのだろうな。

周りを見渡す。

助け船をもとめるが・・・・

目が合う全員が視線をそらした。

それほど関わり合いたくないようだ。


「なにしているの!来なさいっていってるでしょ!?」


いつの間にか教室に入ってきていたようだ。

僕の服の裾を彼女はつかむ。

観念をした僕は服の裾を捕まれたまま着いていくことにした。


「何で呼んだのにパッと来ないのっ!」

ー それはあなたが苦手なだけです。 ー

「昼御飯食べてないでしょ?購買にいくわよ!最近お手軽ラーメンにはまっているの!早いし安全だし簡単だし!」

ー それ、カップ麺ですよね。 ー

「食堂もラーメン擬きからこれにすれば良いのに。そうすれば流行ると思うのっ!そう思うでしょ?」

ー あれ、僕、気に入ってるんだけど。あと、食堂で置いたらかなり問題が。一応この学園、一部エリートいるんだけどな。あと、流行らない。 ー

「なに黙ってるのよっ?あーもしかして裾つかまないで手を握りたい?しょうがないなー。」

ー 全生命かけて恋人繋ぎ回避中。力強っ! ー

「緊張してるの?まさか!照れてる?嬉しい。」

ー 握られた!握力強っ!無反応はさすがに無理だ! ー

「なにか言いなさいよ!」

「痛いよっ!」


第一声が怒鳴りになってしまった。

回りの人の視線を集めてしまう。

彼女は目をまばたきしてから


「ごめんなさい。痛かった?あたし前衛だから力強くて!さあ、ラーメン買って屋上で食べましょう!」


先日までの死んだ目がが嘘みたいに輝いていた。

せっかくのお誘いだし断るのにも気が引ける僕は二人で食べることにした。

僕は和風のうどんにして彼女は大きいカップ麺にした。

通常の三倍とはたくさん食べるんだな。

するとふと目が合う。

彼女は


「海の幸だって!美味しそう!はじめて食べるわ!」


と言って喜んでいた。

こう見ると可愛いんだけどな。

僕はクロエが苦手だ。

後々落下してから彼女は僕に対して優しくなった。

えっ?

何が不満だって。

よく読んでほしい。

そう、「僕に対して」だけだ。

僕が他の人と話をしていると割り込んできたり睨んだり。

酷いときは激怒もある。

情緒不安定なのだ。

だから同じクラスの人から彼女への生け贄扱いされている。

マリアンとかはわかってくれたのか話すタイミングを観察しているようだが・・・・・


「なに考えているの?お湯いれたから早く屋上で食べましょう!」


そして又屋上まで引っ張られるのであった。


「このカップ麺、美味しい!シーフード感出ていて。」

「名前にも書いてあるからな。」

「・・・・・ライローグの食べてるうどんは美味しい?」

「普通だよ。」

「普通?普通に美味しい?普通に美味しくない?どっちなの?」

「美味しい美味しい。」


何気無い会話。

好感度を上げないよう選ばれた会話。

「一緒にいても楽しくない人」として興味を沸かせない作戦だ。

だが・・・・


「ならカップ麺交換するね!」

「なっ!」


持っていたカップ麺を交換される。


ー シュルシュルシュル・・・ ー


僕のうどんを美味しそうに食べるクロエ。

許可してないが・・・・たぶん強制されるイベントだな。

手元に来たラーメンをすする。

この味は・・・・・

懐かしさを思い出す。

お金無かったから学生時代よく食べてたな。

大人になってがむしゃらに働いていたから今はたべてなかったな。

そう感じていると


「ライローグ、どうしたの?」

「いや、君のカップ麺がね。少し懐かしさを・・・・」


説明しようとした時だった。


ー バタン! ー


「クロエったら。ここでご飯食べていましたのね。」

「私、誘ったのに。」


いきなり開いた屋上の扉の方から声がするのでそちらを見る。

ターニアルとルンだ。

かなり急ぎ足で来る。

どうやらクロエを探していたようだ。

横に来るといきなりハンカチを引いてクロエの横に座り込む。


「クロエ、何で私たちのお誘いを断ってこの人と一緒にいるのかしら?ねえ?ルン。」

「彼と一緒。だめ、じゃないから。呼んで良いのに。」


ターニアルは好感度がとても低いと前回見たメモの時に知っている。

ルンは普通より少し高い。


「ごめんね。二人は大好きな勇者様と食べると思ってね。」

「なっ!そんなことありません。私は友達のあなたを優先しますわ。」


ルンも首を縦に振っている。


「ふーん。私、大切にされてるんだ。」

「あたりまえです。」

「うん。」

「うれしい。でも彼氏ができると人は変わるっていうからねー。」

「なっていませんわ!」

「わ、わたしも。」

「そう?だけど・・・・・」


そのまま三人は話に盛り上がる。

僕はお邪魔かな?

そっと抜け出そうとした時だった。


「何処に行くの?」


ズボンの裾をクロエが掴む。

あれ?

彼女は僕の前にいたはずなのにいつのまに横に!

クロエを見ると・・・・


「逃げちゃダーメ。」


と僕の頬を指で突っつく。

さりげなくカップ麺を交換される。

うどんが戻ってきたが・・・・

中身はほとんどない。

少しすするか。


ー ちゅるん。 ー


一口しかなかった。


「フンっ!いてもかまわないわ。お前の事はカイルから聞いてるから。」

「私、ヤスベから聞いた。私もかまわない。むしろいて。」

「ねっ?いて良いって。」


うーん。

一名からは睨まれてるな。

それより三人の厚が強い。

逃げても面倒になるか。

そのまま座り、話に加わることにした。


僕はこの後・・・・・・

昼休みが終わるまで質問攻めに合うことになる。


だがその質問の大半は


「私、知っている!それはね・・・・・」


と言ってクロエが答えている。

よく知っているなあってぐらいならいいのだが。

体重。

身長。

今日食べたもの。

僕のメモと同じくらい情報が正確なので少し恐怖を感じている。

他の二人と話をしているとたまに服の裾を引っ張って自分に意識を向けるなど。

かなり僕に対して執着心があると思う。

帰るときは見えなくなるまで手を振っていたし。

こういう子なんていったっけ?

昔に聞いたことがあるのだが。

なんだっけな。

ネットの友達が現実でおきたら大変と言ってたな。

フラグ?

うーん。

思い出せない。

唸りながら教室に向かうのであった。


ー ズズズズ・・・・・ ー


教室の影から何者かがあらわれる。

ライローグは気がつかない、


「私の作った料理。また無駄になっちゃったな・・・・・」


影が自分の持っていたお弁当を見つめていた。


「ああぁ、ライローグくん。私のものにならないかなぁ。私なら大切にして一杯甘えさせてあげるのに。はぁ。でも、きっといつかは・・・・・」


そうつぶやき影は消える。


ライローグが忘れていた言葉。

それは大切な言葉だった

『ヤンデレ』

すべてを壊すことになる。

ヤンデレって種類ありますよね。

クロエはどちらかと言うと自分を一番に見てほしいタイプです。

ということは・・・・・・

影の人は二人・・・・・

次回もよろしくお願いいたします。

那祢でした。

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