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第六十話「失ったものの代償」

こんばんわ。

那祢です。

今回は落下したクロエを抱き止めた話の続き。

目を覚ましたライローグ。

彼のみに何が?

またあとがきで。

「・・・・・ここは?」


目を覚ますと僕は布団の中にいた。

頭の部分には氷のうがある。

周りを見渡すと白いカーテン。

ここは・・・・・


「あらー。気がついたー?」


部屋の主がやって来た。

ジュリー・ミド。

保健室の先生だ。


「せ、先生すみません。迷惑かけました。」

「いえー。ここまで運んだのはファルスティーナの棺桶とマリアンですよー?それと回復薬を飲ませてたのはセオンだったわねー。私はあなたの寝顔見てただけよー?」

「えっ?」

「だからありがとうってカーテンに隠れている子たちに言いなさいよー。ふふふっ。」


ジュリー先生は座っていた後ろのカーテンを開ける。

すると俯いている女子生徒四人がいた。


「あ。」

ー ビクンッ! ー


僕の一声で四人が跳ねる。

まるで怒られた子犬みたいだ。


「み、皆いたんだね。で、どうしたの?頭下げて。」


わかっている。

何故下げているのか分かっているのに。

つい聞いてしまう。


「「「「ライローグ!ごめんなさい!!」」」」

「え?」


いきなりの謝罪。


「私が階段で足を踏み外したばかりに怪我をさせてしまった!守る立場の騎士としてはあるまじき行為!」


クロエだ。

でもあなた、まだ騎士じゃないよね?


「私がいながらこの様なことになるなんて!ヴァンパイア族として情けない!」


とセオン。

ヴァンパイア関係なくない?


「私も姉と同じです。しかも防御魔法が得意ってみんなに言っていながら・・・・・」


ファルスティーナも。

防御魔法、確かに欲しかったな。


「あの時、全力で走れば間に合ったはずなのに。心の迷いがあった。くっ!自分が許せない!」


最後はマリアンだ。

走って間に合う?

無理だよ!


一人ひとり順番に謝っている。

僕が一人でしたことなので別に謝んなくても。


「気にしなくて良いよ。回復薬飲んで怪我も無いし。」

「「「「・・・・・・・・・」」」」


そう言うとみんなは押し黙る。

あれ?

なんか悪いこと言った?

怪我無いんだよね?

みんなの顔色が悪い。

少し震えている。

すると1人僕の近くに来た。

ファルスティーナだ。


「ライローグ、これを見て・・・・・」


ファルスティーナはコンパクトミラーを取り出す。

可愛らしくピンク色の鏡だ。

ではなく!

向けられた鏡に写るのは・・・・・


「だ、誰これ?」


知らない人が写っていた。

顔には大きな傷。

黄色の毛から真っ黒の毛。

はっきり言えば・・・・・

日本を代表するあの闇医者。

ブラック○ャックの偽者だ。


「えっと・・・・・」

「私が話すわー。」


ジュリー先生がそう言いファルスティーナを下がらせる。


「あなたは階段から落ちたクロエちゃんを受け止めた。その際に体の妖力が枯渇したのよー。わかるー?」

「あ、はい。」

「その状態で気を失ったからわからないかなー。その後クロエちゃんが・・・・」


ー ゴホンゴホンっ! ー


クロエがわざとらしく咳払いをする。

ジュリー先生がちらっと見て・・・・


「クロエちゃんがあなたにのしかかっているー!そう勘違いした三人がクロエちゃんを退けましたー。」

「退けました。」

「そしたらクロエちゃんが背負っていた剣が顔にざっくりー。」

「ざ、ざくり?」

「やや噴水みたいに血液が流れ出るのー。それを見て押さえきれないセオンちゃんとファルスティーナちゃんたち。ファルスティーナちゃんは移動用棺桶を使い階段を使わず窓から外へ急降下して一階へー。その間、顔の血をセオンちゃんが・・・・・」


ー ケフンケフンッ! ー


今度はセオンが咳払いをする。

ジュリー先生がセオンの顔を見て・・・


「拭いて彼女の作った回復薬で止血。後マリアンがここまで運んでくれたのよ。ただ問題が・・・・」

「問題?」

「あなたの血液が特殊なもので妖怪で合うものがいなかったのー。なので間に合わせで違う血液作っていれているの~。」

「えっ?」


違う血液?

それって大丈夫では・・・・・


「だから髪の毛が黒くなり多分だけど妖力が使えないかもー?」

「な、なんだって!!!」

「やってみなよー。」


ライローグは右手で風をおこそうとした。

『だが○Pが足りない!』

小型の狐火を!

『○Pが足りないと言っているだろ!』


「もしや、いまの僕って?」

「狐になれる人間擬きかなー?」


ジュリー先生は首をかしげる。

擬きって・・・・・


再び四人を見ると


全員手を合わせている。

『ごめん』のポーズだ。


「ふーっ。」


あれ?

ため息が聞こえたぞ。

よく見ると彼女たちの後ろに誰かいる。

ぬらりひょんさまだ!


「あっ!」


僕が声を出すとぬらりひょんさまは首を横に降りその場から消えていった。

これって・・・・

すべてを失い役立たずになった妖怪。

それがどのような意味をするのか僕は知っている。


「あ、ああああ・・・・・」

「「「「ら、ライローグ!!!」」」」


僕は頭を抱えそのまま保健室のベッドで気を失うのであった。

妖怪でなくなったライローグ。

それを意味するものは?

次回はお休みします。

またお願いします。

那祢でした。

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― 新着の感想 ―
[良い点] 一気読みしました。 これだけ面白くて文章量も結構あって更新も比較的安定してるにもかかわらず、ブクマ数やポイントが少なくて大変驚きました。 キャラクター達の行く末が非常に気になります。のん…
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