第五十六話「銭湯脱出作戦」
こんばんわ。
那祢です。
今回はまたまたお風呂の話。
お風呂でまたあの方が。
ライローグに休まる日はあるのか?
またあとがきで!
「ふー。生き返る。」
朝風呂は良いものだ。
僕は寮のお風呂に入っていた。
・・・・・・・
最近似た事があった気がするが・・・・
うん。
誰にも邪魔されない空間。
色々考える事もない・・・・
そう、満たされなければ・・・・いけないんだ。
安らぎと癒しを・・・・
朝の静けさが僕に活力を・・・・・
「お邪魔します。掃除に来ました。」
いきなり声が聞こえる。
ああ、僕の『孤独なお風呂』はあっという間に終わってしまう。
お風呂の入り口から声がしたので湯船に浸かりながら頭をそちらに向ける。
そこには・・・・イルフィスがいた。
・・・・・
・・・・
・・・
・・!?
はあっ?
イルフィス!?
そこにはデッキブラシと洗剤のセットを持ったイルフィスがいた。
ヤバイっ!
掃除の時間なのか!
朝四時に起きてからお風呂に入っていたから。
えーっと。
今何時だ?
いやそんなこと考えてないで!
このままでは確実に前回と同じになる。
しかも出ないでお湯の中でいればのぼせるのは確実だ。
考えろ僕、そしてもう一人の僕。
ー 心ん中、うるせぇーな。お前。狐になれば良いじゃねぇか? ー
すぐにアドバイスが来た。
確かに狐になれば卑猥な姿を見せることもない!
さすが、ライローグ!
あっ僕もか。
ならば直ぐにならないと!
「変身っ!」
ー ぼふんっ! ー
煙に包まれ一瞬で狐の姿になった。
湯煙と煙。
ばれないだろう。
そう思ってた時だった。
「あらっ?あれは」
イルフィスは直ぐに僕を見つけてしまった。
ー カッ!カッ!カッ!カッ! ー
サンダルの音がする。
イルフィスがゆっくり歩いてくる。
近づいてくる。
短パンでTシャツ。
うん、かなり大きいな。
狐の姿なので全て上を見上げる視線になるが。
イルフィスがいきなり目の前でしゃがみこんだ。
「き、狐だ!あれ?でも、どうやって入ってきたのかしら?窓を開けっぱなしだったかな?」
人差し指を顔の横において首をかしげる。
よくアニメやゲームでよく使われるポーズでもある
確かにかわいいな。
「まさか・・・・・・」
ー バレないでくれよ・・・・ ー
「ライローグくん!・・・の友達かしら?!細目だし色がちがうから彼じゃないよね。」
ただいま細目にして狐らしさを出しています。
色は濡れているから分からないはず。
「でも、迷い狐ならば山に返さないといけないよね!」
いきなりイルフィスは狐を捕まえようとした。
狐はひらりとかわした!
「あれ?警戒してるのかしら?大丈夫だよ。なにも怖くないよ。」
両手を広げてこっちへこいのポーズ。
うん。
魅力的。
でも行くわけにはいかない!
何故なら・・・・・
ー ちらっ ー
彼女の服装が薄着でしゃがみこんでいる。
ああ、そうなんです。
短パンなのでPが見えているんです。
男性の皆さん!
わかりますよね。
今まさに僕は思春期の男子学生の事情になっているんです!
魔女のそんな姿を見て狐が欲情してしまう。
そんな野生の狐いますか?
捕まればまさに・・・・・
ー 死亡フラグですわ? ー
昔見たアニメのキャラが言っていたな。
だから逃げることにした!
「きゃっ!いきなり走り出すなんて。かなり素早いですね。ならば・・・」
ー 我は汝の行動を妨げる者なり・・・・ ー
イルフィスは呪文を唱える。
今のうちに脱衣所に!
ダッシュで逃げる!
「バインドウィップ!」
ー ヒュッ! ー
後ろから草の蔦が襲いかかる!
ー タッ!タタッ!! ー
僕はステップでかわす!
捕まっちゃいけないんだ!
捕まるわけにはっ!
R指定にするわけにはっ!
事情が邪魔するがっ!
「待ってくださいよ!狐さん!せめて抱き抱えるだけでもー。」
だから捕まるわけにはいかないんだよっ!
「ライローグさんで出来ないからせめてギュっとさせて!」
ー ヒュッ! ー
複数の草の蔦が襲いかかる!
おっと!
僕は間一髪、脱衣所に入った。
急いで着替えの籠をとり『まよいが』を使い逃げた。
元の姿に戻り着替えをする。
でも、よく『まよいが』を作れたな。
前回は誰かの作った『まよいが』に逃げる形だった。
それからぬらりひょんさまから『まよいが』のスキルを教えてもらい作れるようになったのだが。
確認する方法は・・・・・
「あっ!」
ポケットからメモを取り出す。
そしてステータスを確認する。
あ、あった。
項目が増えている。
部屋で確認したときは無かったのだが。
今までステータス欄には名前や好きなもの、誕生日やスリーサイズなど戦闘などには使えない情報しかなかった。
しかし、今のメモには書いてあるのだ。
うーん。
進化した?
それともなにかあるのか?
しばらく考えてみたが・・・・
ー ぐー・・・・ ー
お腹の音が鳴った。
そういえば昨日の夜食べなかったな。
違う結論が出たので僕はまよいがから出ることにした。
「よいしょっ。」
まよいがから出た僕は学食を食べに寮に向かう!
美味しいご飯を食べれば気持ちも吹き飛ぶから!
さあご飯を!
だがその夢は壊れた。
何故なら・・・・
「おっ!ライローグ!聞いてくれよ!」
「失礼な人だな。まず朝の挨拶からだろ?おはようライローグくん。」
「あ、ああ。おはようライローグ!」
「所でライローグくん。話があって・・・・・」
「あっ!抜け駆けするな!ライローグ!俺も・・・・」
そこには勇者二人が待ち構えていた。
そう。
静かな日常はここで終わり。
さあ、現実に戻ろう。
そう覚悟をしてから僕は二人に向き合い言う。
ー ぐきゅぅー!! ー
「まずはご飯を食べさせて。話はその時に聞くから。」
威圧感のある顔とお腹の音も聞こえた二人は・・・
「あ、ああ。選んでこい。席で待ってるから。」
「ご、ごめん。僕も待ってる。」
そう言いながらカイルとヤスベの二人は僕が来るまで何故かならんで席に待つのであった。
主人公に休まれる日はないようです。
カイルやヤスベ、イルフィス。
彼らの話が多いので次はヒロインの話。
と考えています。
次回はお休みします。
またよろしくお願いいたします。
那祢でした。




