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第五十二話「桶とハートがクリティカルヒット!」

こんばんわ。

那祢です。

更新遅くなりました!

今回は久々のあいつらとお風呂のあの子が!

どこであったかは見直してね。

またあとがきで。


「オイ生キテルカ?」

「アンさん、逆ラッキースケベってほんまか?」


賑やかな声に僕は目を覚ます。

うるさいな。

誰だ?

目を擦りながら状態を起こすと三人の男がいた。

ブレイとシャーズ、後一人はわからない。

この二人、憶えていますか?

ストーリーエンドの記憶があるリザードマンのブレイと相手の心が読める悪魔のシャーズ。

後一人は・・・・・・


「あっ!起きました!先ほどはすみません!!」


小柄な少年は謝る。

先ほど?

思い返すと・・・・・・

僕は風呂場に着いた。

一日の汗を流すために裸になる。

タオルで隠して風呂場に・・・・・

あっ!

女の子がいる!

そして何かが頭に当たり・・・・・・

気を失った。

そうかっ!

飛んできた「何か」だな!

あれは男の子であった


「ぷっ!あっはっはははは!アンさん楽しいやっちゃやな!なにその妄想!」


いきなりシャーズが笑い出す。


「違ったのっ!あれだけ思い出したのにっ!」

「せやから、その一個前やっ!!」


でたらめ方言が帰ってくる。

そういえばこういう奴だったな。


「ナンダ?オ前タチ仲イイノカ?」

「すまんねー。ブーちゃん。こいつ、前に知り合いになっとんよ。」

「知リ合イカ。ナルホド。・・・・オイシャーズ、俺ノ事ブーチャン呼ブナ!」

「いーじゃん!かわいいし!」


二人で話が盛り上がっている。

僕は再び思い出してみた。

桶の前は少女がブラシでゴシゴシと・・・・・


「君はあの子か!」


思い出したのでつい指を指してしまった。

小さい少年は実は女装が好きでお風呂場ではその姿に。

それが答えだな!


ー ○ちゃんの名に懸けて! ー

ー スパーン!!! ー


シャーズのハリセンが鳴り響く。

見事、頭に直撃だ。


「違うわボケっ!逆や逆っ!」

「逆?」

「女の子が男装しとるんよ!」


なるほど!


ー 真○はいつも一つ! ー


って事だね!

一応、誤魔化すためにうなずく。

シャーズは細い眼でこちらを見つめている。

このままでは話が進まないので少女に話しかける事で誤魔化すことにした。


「ところで君は誰だい?」

「えっ?忘れてしまったのですか?前にお会いしてますよ?桶のせいで記憶が!?」


記憶にないな。

ここであった人の心の引き出しを逆さにしても出てこない。

小さくてかわいい子いたかな?


「ライローグ、食堂ダ。」

「食堂?」


ブレイのアドバイスで食堂を思い出す。

食堂で出会った子。

「あっ!おばちゃんの代わりにいた女の子!」

「そうです!それ私です!」

「お玉を落としておばちゃんたちの視線を集めた!」

「えっ?それは・・・」

「男子寮の男の子達を釘付けにした!」

「や、やめてくださいよー!」


うむ。

可愛いな。

からかいたくなるな。

だが、シャーズの視線が冷たいので話を戻すか。


「先ほどはごめんなさい。男の人の裸に驚いてしまい桶を投げつけてしまって。」


あーあれ桶だったのね。

さっき言ってたな。

触ってみるとたん瘤が出来てる。

まさに・・・・・クリティカルヒット!


「いいよいいよ。これくらい大丈夫だ。君こそ桶で気絶した僕・・・・は粗相していなかった?」

「そ、それは大丈夫です。駆けつけたらすぐに狐の姿になっていましたので。」

「なら安心だ!」


ん?

安心?

はっと気がつく。

布団に入っているが今、僕は・・・・・

全裸だ!

どっかの芸人みたいに安心できない奴だ。

恥ずかしくなり布団に潜り直しながら三人に聞いてみた。


「えっと僕の服は?」

「どんなんかわからんから持って来んかったよ。」

「でもお風呂に入っているのは僕だけだった気が。」


一人しかいないから優雅に入ろうと思ったのにな。


「あの時は掃除中だったので。あなたを救護室に運んだ後、沢山入ってきたので。それで分からなかったようです。はい。」


自信満々に少女が言う。

中に入れなかったから二人に頼んだのだろう。


「いや、わいらもお風呂入ろうとしたからそのついでじゃ。」

「シャーズ、オ前アマリ心ノ中ヲ覗ゾクヨ。」

「そりゃー悪いなブレイ。癖みたいでさ。」

「ライローグガイイ顔シナイゾ。」

「うっ!せっかくできた友達やしなー。」


また二人の世界に入ってしまった。

しょうがないからお嬢ちゃんと話すか。


「そういえば君って誰だい?」

「あっ!自己紹介忘れてました!私、魔女のイルフィスと言います。」


丁寧に挨拶された。

魔女。

珍しい生き物ばかりだから普通に感じてしまった。


「僕はライローグだ。よろしくイルフィス。」

「ライローグさんは学園ではかなり有名で知ってますよ。見境なく女性を襲いかかるとか。近くにいると妊娠するとか。狐になり女の子のハート泥棒するとか。」


「そんなことやったことないよ!誰がそんな・・・・」


いつからそんな凶悪に?

噂って怖いな。

根も葉もない噂を!


「スカートめくりやお尻、胸を鷲掴みにするとか言われてますね。」

「・・・・・・・・」


うっ!

それは否定できない。

過去の記憶にあるもの。

じーっとイルフィスが見ている。


「一番最後のだけやったことがあります。」

「他は?」

「ありません。」

「ファ○ナル○ンサー?」

「はい。」


沈黙。

見つめあって沈黙。

そして・・・・


「よかった。私、まだ妊娠していないんだね。」

「そんな奴いたら世界が終わりますよ?」


まあ一度終わってるんだけどな。


「冗談ってわかってましたがしっかり本人に確認しないとわかりませんから。なら服を早く回収しないと!また噂されますから。」

「そ、そうですね。お願いします。」


さすがに全裸はヤバイ。

早く着替えないと。


「善は急げですね!なら狐の姿になってください。」

「えっ?」

「そしたらお風呂場まで運びますから!」


それは・・・・・

シャーズやブレイではダメなのか?

二人を見るとまだ話し合っている。

うーん。

仲良いから邪魔しちゃいけないな。

そう思った僕は


「わかった。お願いするよ。」


イルフィスにうなずき了承した。


「はいっ!」


イルフィス元気の良い返事が帰ってきた。

あとこれもつたえないと。


「一つお願いがあるんだが。」

「何でしょう?」

「変身した狐の姿でも裸なのでタオルに繰るんで運んでほしいんだ。」


そう言うと彼女は顔を真っ赤にして


「た、たしかに!風紀乱れまくりですね!わかりました。すぐに取ってきます!」


そう言って救護室から出ていった。

すると・・・・


「旦那~。憎いですな~。」

「確カニ。トボケカタガウマイナ。サスガダ。」


向こうで話をしていた二人が誉めてくる。


「何が?」


わからない僕は二人の顔を見ると・・・・・


「「無自覚」カ。」


と声を会わせて首を横に振るのであった。

悪魔とリザードマンはすぐにわかったのに。

ライローグはまだ気がついてはいません。

二人はどうなるのか?

二人の勇者は?

次回もよろしくお願いいたします。

那祢でした!


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