第五話 「先生とはなす。」
目を覚ますと僕は 保健室 のベッド の 中に いた。
「ふー」
俺は保健室で石化をといてもらえた。
どうやら教室で先生に石化させられた後、誰かが保健室まで運んでくれたようだ。
その優しさ感謝します。
本当この学校はわけがわからない。
伝説の巨人もいれば妖怪やモンスターまでいる。
そのため、生徒の喧嘩など止めるのにはそれなりに力のある先生でなければいけないのだろう。
なので校長先生は妖怪をまとめるぬらりひょんで教頭先生が夜の帝王ドラキュラらしい。
そして先程お世話になった保健室の先生はスライムである。
他の先生では国語の鬼。
数学のフランケンシュタイン。
理科のスケルトン。
公民の魔女。
地理歴史のダイダラボッチ。
外国語のメデューサ。
保健体育の狼男。
音楽のセイレーン
芸術の動く彫刻。
情報のメリーさんと現代ではあり得ない方々だった。
ちなみに僕のメモには先生たちの友好関係はあまり良いとは書いていなかった。
それもそのはずである。
先生方の細かい情報もたくさん載っていたのでたぶんしつこく聞きまわったりつけ回したりして情報を得たのだろう。
特に女性の先生とは すごく仲が悪かった。
彼氏の有無やスリーサイズなど細かく記載が載っていたのを見ているとかなり無茶をしたんだろうな。
まあ、メデューサ先生との仲が悪かったせいなので一発で石化させられたのが今回の原因だろう。
-ガラガラ・・・-
保健室の扉が開いてメデューサの先生が入ってくる。
名前はたしか『ミリュン』だったかな?
入ってきてすぐに自分と距離をとりながら話しかけてきた。
「ライローグ君、大丈夫?ごめんなさいね。あなた 最近態度が悪いので石化させちゃった。」
『てへっ!』が付きそうなぐらい悪びれてない感じで僕に謝ってきた。
さすがにちょっとムカッとしたが元の年齢が年齢なので・・・
なのでこっちも謝ってみた。
「先生、ごめんなさい。最近ストレスが溜まっていて・・・。色んな馬鹿なことをしたんだと反省しています。すみませんでした。許してください。」
怒る所か謝る僕の対応にミリュン先生がとても動揺する。
「えっ!どうしたの?いつもなら怒鳴り散らしてるところなのに。何か悪いものでも食べたの?熱でもあるの!ねぇ!?私の石化、そんなに強かった?」
言い方はひどいが肩をつかみ、すごい心配した顔をして僕を揺さぶってきた。
たぶんこの先生は本当は優しい人なんだろう。
そんな先生を怒らせるなんてく申し訳ない。
-そうだ!-
良い案を思い付いた。
俺の今の現状、誰にも話してもわかってもらえない。
でも、この先生なら色々と話しを乗ってもらえそうな気がする。
そう思うと僕は正直に話をすることにした。
「お風呂の中で寝ていたらどうやら異世界に魂だけよばれまして。ライローグ君にどうやら融合したらしいです。そのため、記憶が全てなくなってしまったんです。なので先生の名前、クラスのみんなの名前が全く思い出せないんだ。」
「えっ?どういうこと。」
「今、言ったままで僕の頭の中ではライローグ君がいないんです。そして色々な人の名前がわかる不思議なメモしか分からないのです。」
先生は最初、冗談を言っていると思ったようだ。
しかし話をしているうちにそれが本当だと思ってくれたようだ。
「じゃあ今、ライローグ君の頭の中には誰がいるの。」
「僕も前世の名前が覚えてないんです。何をしていたのかはわかるんですが・・・。僕がこの世界にいたものではないということは確実です。」
今までクールだった先生がちょっとしかめつらになり僕を観察していた。
いきなりこんなこと言ってもたぶん信用されないのだろう。
そう思っていると先生は僕の頭やほっぺ、尻尾を掴んだりつんつんしてみたりしていた。
-いきなり何をしているんだろう?-
不思議な顔をしてみた。
すると
「そうですね中に入っているのはライローグ君じゃないですね。彼は体を触られたり頭を触られたりされることが嫌いなんですよ。それをさせているということは中に入っている人がちがうってことです。」
先生は結論を出して僕に答えてくれてそれがとても嬉しかった
。
「ありがとうございます。でもところでいつまで僕のしっぽを触ってるんですか?」
「あっ!ごめんなさい。気持ちよかったのでつい。・・・嫌でしたか?」
「いやーなんかムズ痒いと言うかくすぐったいと言うか・・・」
尻尾触られているという感覚は人間で言うとお尻を触られている感じである。
なので先生が尻尾を気持ちよく触られるとお尻を撫でられてるのと一緒なのだ。
伝えた方がいいのかと一瞬思った。
でも、先生が嬉しそうに触っているのでダメとは言えなかった。
動物園のふれあい広場で動物たちと触れ合っているメデューサになぜか少し和んでいたから。
そんな尻尾をモフモフしている先生の姿を見ていると廊下から地響きが聞こえる。
そしていきなり扉が開いた
「大丈夫」「大丈夫ですか」
そこには見知った顔と見知らぬ顔が8人いた。
どうやらしっぽもふもふの光景を見られてしまった。
するとその八人は一斉に声をあげる。
「「「「な、なにやってんの!あんたは~!」」」」