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第四十三話 「覗きと罰と勇者と」

こんばんわ。

那祢です。

今回は覗き後どうなったのか。

またあとがきで。

僕は一人、教室の席で外を眺めている。

昨日の反省?

それも含めだけどね。

今日起きたことに違和感を感じていた。

僕は起きて男性の風呂に向かった。

その結果が・・・・


「ま・・・・またあなたですかっ!駄目ギツネライローグ!」

「お、乙女の体を軽々しく見てっ!許さん!」


女性の浴室の湯船の中に落下。

ターニアルとクロエに捕まる。

そして二人の部屋での先生含めたお説教。

皆様お気づきであるだろうか?

男子寮と女子寮は別れているんだ。

なら何故僕は女子風呂にいたのか?

それを朝から考えていた。

裸を見てしまった二人からは退学と言われたが先生は・・・・・


「まあ、彼も気が付かずにいたと言っていたし妖力が不安定なんだと思う。だから今回は・・・・・」


ー ピシャン! ー


ほほに平手を受ける。


「これで許してあげて。」

「・・・・・・ん。」

「あーっ!!もう!わかった!わかりましたわ!さっさとその男つれて行ってください!」


二人に苛立ちに先生は僕の首根っこをつかみ部屋から退室した。


「ふーっ。全く何してるんですか?貴方は。」


お怒りというか呆れている先生。

あくまで予想だが・・・・・・・・・

妖力の暴走に気が付かずにまよいがを作りそこを通り抜けた。

そう魔力の暴発みたいに妖力にもあるようだ。


「聞いてますか?ライローグさん。」

「あっ、はい!すみませんでした!」

「謝れば良いわけではありませんよ!乙女の裸っていうのは・・・・・」


そんな感じでお説教は続いた。

まあ、ミリュン先生だったのであまり嫌ではないけどかなりのお怒りで話は長かった。

解放されたのはホームルーム始まる三十分前ぐらいだった。


ただいまクラスではその話題で騒がれている。


「ライローグ、またそんなことしたんだって。」

「お風呂を覗くなんて。私、怖くてお風呂にはいれないわ!変態!」

「ぐっぞー!素肌のターニアルちゃんを汚すなんで!!」

「ああ、愛しのクロエ様。あの者に罰を与えても宜しいですわよね。すべて切り裂いて・・・・」

「おい、どんな感じだったか聞いてこいよ!」

「やだよー。すべての女子の敵になっちゃうよ。」


そんなこんな話をされている。

そうさ、僕は一人さ。

そう考えていると・・・・・


「ライローグ、話がある。」


いきなり誰かに声かけられた。

振り向くとそこには・・・・・

カイルがいた。


「ちょっと来てもらえるか?」

「用件は?」

「ここでは情報は話にくいだろ?」

「僕はいっさらかまいませんが?ターニアルの裸ですか?それともクロエの裸ですか?」


ー ざわざわざわざわ・・・・・ ー


クラスが騒ぎだした。

そう、みんな聞きたいことなのだ。

特にマリアンなんて興味津々だ。


「ら、ライローグ違うぞ!その話ではなく・・・」

「じゃあ誰の裸ですか?間違って見てしまったのは二人だけですよ。」


かなりイライラしていた。

自分だって見たくて見た訳じゃないのに。

よってたかってクラスでシカトですよ?

シカト知らない?

ガン無視ですよ。

カイルは違うクラスだから知らないんだろう。


「だからそうでは無く・・・」

「じゃあ誰を見てくれば?ファルスティーナか・・・」


そう言おうとした時だった。


ー ばこっ! ー


「いっ!!」


顔に拳が刺さる。

カイルに殴られたのだ。


「ライローグ、人の話を聞け。俺は誰の裸の話を聞きに来たんじゃない。」


真剣な顔をしている。

かなりお怒りの様子。


「あー。わかったよ。休み時間は短いのでお昼休みで良いか?」

「ああ、頼む。いつもの場所でな。また後で。」


颯爽と帰っていった。

またクラスでざわめきだす。

よくやった。

スカッとした。

さすが勇者様。

素敵。

とか色々騒がれている。

まあそのお陰かクラスの空気が変わった。


「カイル、大丈夫か。」


マリアンがやって来る。

右手にジュースの缶を持ったまま。

あれってたしか『やーい!抹茶!』って言って皆がよく飲んでいる。

それを・・・・


ー ぴたりっ。 ー


頬に当てられる。

つめたっ!

冷えたてキンキンの奴だ。

もしやあの一瞬で自動販売機に買いに行ってたとか。

そんなことないよね。

そうマリアンを見ると・・・・

肩で呼吸をしていた。

やばっ。

少し嬉しくなってしまった。


「これ貰っても良いの?」

「ん。」

「ありがとう。僕、今妖力の特訓していて・・・」


休み時間終わるまで二人で話をした。


昼休み。

購買でパンを買い、カイルと待ち合わせした屋上に向かった。

ここでは空を飛ぶやつら以外からは会話を盗み聞きされにくいからよく選ぶ。


「遅かったな。」

「君が早いだけだよ。」


そこには待ちぼうけをしていたカイルがいた。


「君が早いだけさ。」

「そんなことない。十分かかっている。」


本当に細かい奴だ。

まあ早く話を終わらせて戻るか。


「で、誰の情報が欲しいんだい?」

「・・・・・・お前。」


ー ドキン! ー


まさかの告白!?

腐の道一直線!?


「ち、違うぞ!そういう意味じゃない。お前がどちらが好きかって意味で聞いている。」


よ、よかったよ。

BLかと勘違いしそうだった。


「え、ええとどちらかと言うと?」

「惚けなくても良い。ファルスティーナとセオンだ。」

「あー。彼女二人ね。で、何でそんなことを?」

「ファルスティーナがお前のことを気にしている。まあ、セオンはお前の事が大好きみたいだがな。見てればわかる。」


セオン、感情隠しきれていないよ。

確かにクールだがチラチラ見ているのには気がつく。

まあ、下級生の教室を覗くのは誰でもばれるか。

あとファルスティーナの感情にも気がついてはいる。

何故って?

ぬらりひょん様の指導のたわものです。


「でどちらが好きなんだ?朝のあの態度でターニアルとクロエには興味がないと気がついたのだが。まさかマリアンか?」


まさかって君。

一度結婚してるんだが。

少しマリアンをバカにされてイラッとした。

今回はファルスティーナのストーリー。

俺は・・・・


「セオンだ。ファルスティーナは友達だ。」


フラグはしっかりしないといけない。

これもぬらりひょん様の教えです。

そうカイルに伝える。

しばらくの沈黙。

某テレビ番組のクイズの間ぐらい。

・・

・・・・

カイルは・・・・


ー はぁー。 ー


とため息をつき、


「安心したよ。ファルスティーナと言われたらどうしようかと。俺、今彼女に熱烈アピールしていてさ。話の最中に君の名が出るから心配してたんだ。特訓も一緒にしてるっていってたし。はー。ドキドキした。」


不安がとれたのか喜ぶカイル。

これでいい。

ファルスティーナをこいつと結ぶのが僕の仕事。

特訓の光景が目に浮かぶ。

些細なことから始まりファルスティーナと過ごす日々。

馬鹿なこと言いながらやってたな。

これでいい。

これで。

そう自分に言い聞かせると・・・・・


ー ズキンッ! ー


「いたっ!」


殴られたわけでもない。

だが何故か痛い!

これってまさか・・・・

マリアンの時にもあった。

まさか・・・・


「どうしたライローグ?」


うずくまる僕に不安そうなカイルが覗き込む。


「だ、大丈夫。気にしないで。」

「お、おう。一応保健室に行くか?」

「大丈夫。先に戻るよ。」


そう言って室内に戻ろうとしたときだった。


ー バタン! ー


扉が閉まる音がした。

誰かいる!

すかさず扉を開けに行くが誰もいない。


ー タッ!タッ!タッ! ー


誰かの走る音が聞こえる。

誰かが僕たちの話を聞いていたみたいだが。

誰なんだ?

その音はすぐに回りの音にかき消されるのであった。

勇者と話をしたライローグ。

聞いていたのは?

次回もよろしくお願いいたします。

那祢でした。

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